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採択数がいつもの100倍以上!?「ものづくり」に1,000万円を助成

2013/03/18

平成24年度補正予算に関する情報を1月のメルマガでご紹介しましたが、
その中の目玉だった「ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金」の公募が始まりました。

なにが目玉かというと、莫大な採択予定対象者の数です。1件当たりの助成額上限は1,000万円(助成率2/3)なのに年間の総予算が1007億円。つまり採択者件数は年間で10,070件ということになります。

仮に3期に分けたとしても1期で3,400件。通常の助成金の採択件数は10~20程度なので、如何に膨大な数かお判りでしょう。これを考えるといろいろ疑問が出てきます。


【疑問その1】受付窓口をどうするか?

これは「中小企業団体中央会」という全国組織の各都道府県の支部が捌く方法をとりました。この方法は以前にも実績があるのですが、実は助成対象費用の考え方に関係して結構トラブルもあったようです。

【疑問その2】誰が審査するのか?
少し規模が大きい助成金の審査は、20人以上の専門家全員がすべての申請書を読んで審査を行うのですが、今回の公募を同じように審査していたら結果が出るのはいつになるかわかりません。

【疑問その3】これだけの数の採択企業の助成金の運用をどの様に確認するのか?
少し大型の助成金では、通常複数の担当官が年に数回採択企業を訪問して、発注内容に不備がないかなどを確認することが多いですが、今回は無理と思われます。

これらの疑問の答えは、申請書の表紙に書かれている「認定支援機関」です。今回の補助事業に応募するためには、この「認定支援機関」による確認が必要とされ、具体的には申請書に認定機関代表の押印付「確認書」を添付しないと受理してもらえない仕組みになっています。

「認定支援機関」とは、経済産業省が昨年8月からすすめている「中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う専門機関、または専門家」であり、主に地域の金融機関や税理士事務所などが認定されています。

これを経産省が頑張って進めており、すでに日本中に多くの認定機関が産まれています。2月1日時点で総数5481。因みに私が理事を務める「一般社団法人経営革新協会」も認定機関として指定されています。

「認定支援機関」の説明を見ると「支援機関に支払う手数料は支援機関と調整すること」と書かれているので、支援機関が申請企業から費用を受け取っても良いことになっています。手数料を支援機関に任せるというのはかなり大胆な手法かと思います。

今回はこの仕掛けを隈なく活用しようという考えのようです。そう考えれば、疑問の1~3に対して経産省や窓口の中央会ではなく「認定支援機関」に申請企業の内容から採択後の管理まですべての面倒を見させて、経産省は「支援機関」を監督することで運営していくという腹であることが見えてきます。

何はともあれ、設備投資や試作開発に1,000万円の助成が欲しい方は早速お近くの支援機関にコンタクトしてください。支援機関はこちらから探せます。矢印中小企業庁(外部サイトへ移動します)

もちろん、「一般社団法人経営革新協会」のご支援をお望みの方は私を窓口にしていただいて結構です。ただし、当協会は会員向けの支援を目的として認定を受けておりますので、ご入会についてのご検討もお願いいたします。矢印経営革新協会(外部サイトへ移動します)

本記事は2013/03/18時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

ちるさくら 海あをければ 海にちる   (高屋 窓秋)

まだ少し早いですが、おそらく次回のお便りまでに花が咲いてしまうので桜の句を前出ししました。この句はまさに絵画ですね。いや動画と言ってもいいくらい、海の青にむかって散り落ちる淡い桜の花びらが脳裏に浮かびます。