早くも『平成21年度』? - 研究開発系補助金のスペシャリスト アライブ ビジネス

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早くも『平成21年度』?

2008/09/04

前回の更新から思いの他時間が経ってしまいました。今後は週に一度は情報を更新できるよう努力します。

今回お届けする最新情報としては、総務省が直接窓口となって行う委託事業、戦略的情報通信研究開発推進制度(通称SCOPE)をご紹介します。IT系の方は年に一度のビッグチャンスです。

さて、話は変わりますが、経済産業省管轄のNED技術開発機構(正式名は「独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構」)は大型の助成金事業や委託事業を多く行っていますが、その中一つ、「イノベーション推進事業」の平成21年度第一回公募の予告が、9月中頃公開されるようです。公募期間は昨年と同様10月から12月となる見通しです。

この助成金は金額が多い上に対象分野が広く、研究開発フェーズから事業化フェーズまでメニューが用意されている、いわば間口の広い特徴があり、さらに年間2回も公募があるので多くの企業が狙う助成金です。

(詳しくはこちら 「イノベーション推進事業」 )
でもこの時期になぜ『平成21年度』なのでしょうか?よく見ればこの事業だけでなく、経産省の「スタートアップ支援事業」や「新連携補助金」、また東京都中小企業振興公社の「新製品・新技術開発事業」など、大型の助成金の公募は年末から年度末の1月~3月に集中して公募が行われ、どれもタイトルに「21年度」がついています。

なぜ20年度中なのに「21年度」なのか。それはお役所の会計年度が3月末で〆を迎えることと関連しています。特に国家予算で行う大型の助成金事業は応募件数が多く、しかも多くの専門分野から集められた審査委員による公正な評価を下す必要があるために、審査に時間がかかり、公募締め切りから採択が決定するまで2~3か月を要します。さらにめでたく採択された企業は政府等の助成金実施機関と改めて契約が必要なため、そのための調整にどうしても一月以上かかることが多く、実際の開発期間は公募から数えると3~4か月掛かってしまうことになります。

一方お役所の会計は3月末締めであり、助成金として支払われるお金は採択者がその年度内に使った経費を対象に年度末締めで支払われるため、支払対象となる助成期間ができるだけ長くなるよう、公募期間の前年度への前倒が行われているのです。つまり、

20年12月      21年2月     3月     4月             22年3月
公募締め切り>>>>審査終了>>契約締結>助成期間開始>>>>>当年度期間終了

ということです。

特に「イノベーション推進事業」のように年間2回行なわれるものは、2回目の助成機関が遅くとも10月以降にならないように、6月頃には締め切りとなるスケジュールで公募されます。

さて、助成金の獲得には思いつきのアイデアではなく、自社の経営計画と連動した事業プランが不可欠です。また、事業プランは逆に経営計画影響を与えるという性質もあります。今から数ヶ月の間に来年度の事業計画を検討されるしっかりした企業様には、一度助成金の申請書を使って計画を文書化することをお勧めします。まだ公募前の助成金についても当サイト内には前回公募の情報に簡単にアクセスできますので、ぜひご利用下さい。

>>>助成金を探す

本記事は2008/09/04時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。