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経産省を凌ぐ東京都の「ものづくりグループ」事業

2011/06/17

東京都中小企業振興公社が東京都の予算で今年から始めた「ものづくり産業基盤強化グループ」という助成事業は、経産省傘下の中小企業基盤整備機構(以下「整備機構」)を悔しがらせているかもしれません。
分野が異なる複数の中小企業が連携した新事業への支援を目的とした「新連携助成事業」は、一時整備機構の目玉であり、多くの成功事例を産み出してきたのですが、民主党政権移行後の事業仕分で大きく予算を削られて以降、一時の勢いはなくなっています。
助成金枠も上限3000万円、助成率2/3と表向きはそこそこですが、予算縮小のあおりで実際の上限は1000万円程度とのこと。
それと比べて「ものづくり産業基盤強化グループ」は助成率1/2とは言え、上限5000万円と高額です。しかも公募要領を見る限り、新連携では必須条件である「異分野の連携」や「新規制」がそれほど強調されておらす、第一、新連携で助成金応募の前提であった「計画認定」が不要です。応募する立場では大変使いやすくて強力な助成事業であり、崩壊寸前の現政権と比較して石原都知事の勢いを感じます。
おそらく新連携を狙っていた都内の企業は、ほとんど「ものづくり産業基盤強化グループ」に乗り換えるのではないでしょうか?
「実はわが社も」という方は、7月15日締め切りの前に、6月30日の「申請書類提出希望日申込」締め切りがあることをお忘れなく。

本記事は2011/06/17時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

げんげ野を 眺めて居れど 夫はなし (桂 信子)

昨日震災後をレポートするテレビ番組で、夫を失った母親が津波後の荒れ地を眺めている画をみてこの句が浮かびました。シチュエーションは大きく違うと思いますが、いたはずの家族がいなくなったことを心底に受け入れるのは、だれにとっても途方もない時間が必要なのかもしれません。