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注目度の高い「地方創生」が全国展開!

2015/04/13

今回は解説に少々骨が折れる今年度の新規事業です。タイトルは「平成27年度新分野進出支援事業」、サブタイトルが(地域イノベーション創出促進事業)とされている、経済産業省の全国版の委託事業、即ち100%政府負担の事業です。

事業の目的は、平成26年12月27日に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略」『地域経済の引上げを図るため、域外需要を取り込む可能性を秘めた地域の中堅・中小企業を発掘し、戦略策定、海外展開・販路開拓等の一貫した支援を実施して、中核企業への成長を促すとともに、取引先への波及効果も含めた支援体制を整備する』という趣旨を実現すること。

長いようですが、ひとことで言えば「地域に埋もれている中核企業を掘り起こして成長を支援する」ということになり、主旨そのものはそれほど複雑ではありません。

ややこしいのは、これまで経済産業省の本部が作成した文章を、出先機関の各経済産業局から、まったく同じ公募スケジュールで伝達していたこの種の事業の手法を変えて、地域局独自で決めたスケジュールと独自の公募要領の体裁で公募を行っていることです。

各経済産業局の公募要領を一通り眺めたところ、さすがに公募要領に書かれている内容は統一されていますが、部分々々に各局のコメントが追記されていたり、審査基準のページの位置が違っていたりと様々です。なにより委託費の上限額や公募期間が結構異なっているのです。金額が高いものから並べると、その差にびっくりします。

東北経済産業局 (7,200万円) 4月28日
北海道済産業局 (6,500万円) 4月28日
関東経済産業局 (6,000万円) 5月14日
近畿経済産業局 (6,000万円) 4月27日
九州済産業局 (4,000万円) 4月28日
中国済産業局 (3,000万円) 4月27日
四国済産業局 (2,850万円) 4月27日
沖縄県内閣府済産業部 (1,200万円) 4月28日
さらにこの事業をややこしくしているのは、この「地域に埋もれている中核企業を掘り起こして成長」させるという事業計画が、昨年6月に公開された「各地域の地方産業競争力協議会による『地方版成長戦略』を踏まえて作成されなければならない」とされていることです。何故これがややこしいかと言えば、実はこの各地の「地方産業競争力協議会」が管轄する地域が、個々の経済産業局の管轄地域とところどころ異なっていることです。

また、募集している事業計画は次の通りA、BのプロジェクトがさらにフェーズIからIVの4つに区分されており

(A)個別プロジェクトは単独提案可
(B)ネットワーク形成支援は単独提案不可、(A)と関連した提案であれば可

と申請ルールもいささか複雑です。

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以上のように色々と頭の整理が必要な事業ですが、アベノミクスの本命、「地方創生」を明確に形にした事業であり、また上限6000万円の100%支援(関東の場合)という魅力もあるので、地域活性化を目指している企業には是非有効活用していただきたいです。

本記事は2015/04/13時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

野に蜜の あふれて村の ひるねどき (桂 信子)

寒い季節に春と言えばこの句のようなのどかさを連想しますが、どうも今年の春は嵐に続いて5月の陽気かと思えばなんと雪まで降って、どうも「ひるねどき」の気分から遠いようです。