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中小等のものづくり企業必見!新エネルギー技術革新支援事業

2017/10/10

NEDOから今年度2回目の「ベンチャー企業等による新エネルギー技術革新支援事業」の公募が始まりました。この事業、昨年まで「新エネルギーベンチャー技術革新事業」だったのですが、今年から改名されました。でも、内容はまったく変わっていません。

従ってフィジビリティスタディー段階のフェーズA、実用化のための基礎研究であるフェーズB、事業化に向けた実用化研究となるフェーズC、大規模実証研究開発のフェーズDという大きな4段階の構成もそのままです。

4段階の内、フェーズA、B、Cはステージゲート方式が取られていて、フェーズAでの実績が実用化の可能性があると判断されればフェーズBに採択され、フェーズBの結果が事業化につながると評価されればフェーズCに進むことができます。

フェーズBもCも初めての応募で選択することも可能なのでこれらには二通りの入り口があるのですが、フェーズDだけはステージゲートから独立した応募となっているため、応募者全員が同じ土俵で審査されます。

過去の実績の一部が公開されているのでこの辺りの実情を見てみると、やはりA→B→CまたはB→Cと上ってきたテーマが多いようです。ではどのようなテーマが採択されているのか、特徴的なものをいくつかご紹介します。

熱発電モジュール:
1000℃までの廃熱を電力に変換して回収します。工業炉や焼却炉から電力を回収する製品として、平成26年度までに数千万円の売り上げ事績があるとのこと。製品は0.7kW/m²と3.7kW/m²の2種類

水素循環ブロアー:
燃料電池における水素の循環に必要な水素昇圧用ブロアー。危険性の高い水素を扱うために安全性と耐久性に優れた電磁ダイヤフロム方式が採用されており、エネファームにも採用されているとか。

精製バイオガス輸送用メタン吸蔵装置:
大気圧吸着/真空再生方式の高性能・低消費電力バイオガス大量輸を実現。高圧ガス保安法に提唱しないため低コストであり、平成26年までに数億円以上の売上実績あり。

10kW級小水力発電設備:
10kW以下のマイクロ水力発電でも経済的メリットが得られるコストパフォーマンス抜群の水力発電システム。大手エンジニアリング会社からの製品化決定。

実績の多くに共通するのは日本のものづくり中小企業が得意な「既存技術のカイゼン」でしょうか?部分的なコストや効率、使い勝手などを大きく進歩させる技術が主のようです。

世界が驚くような、いわゆる「イノベーション」といえるテーマはありませんが、「この分野では負けない」といった専門性の高い技術が選ばれているようです。

NEDOの支援事業は資金だけでなく販路開拓のサポートや知財戦略のサポートも含まれているので、例えば部品メーカーとしては世界レベルの技術を持ちながら、高付加価値製品としての実用化に苦しんでいる中小企業などには良い事業かと思います。

本記事は2017/10/10時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

啄木鳥や落ち葉をいそぐ牧の木々  (水原 秋櫻子)

良く知られた秋櫻子の代表作の一つです。ものの本によると昭和元年の赤城山吟行での印象を、1年温めてから作った句だそうで秀逸ですが、大正から昭和に移る穏やかな時代の空気のせいか、この当時の句はなんだか落ち着きます。