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ものづくり補助金の加点ポイントを読み解く

2018/03/05

平成29年度補正予算と30年度予算が国会承認された2月28日、いよいよものづくり補助金の公募が始まりました。正式名称は「平成29年度補正 ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」
締め切りは4月27日(金)です。

事業類型が「企業間データ活用型」、「一般型」、「小規模型」の3つである点や、基本となる補助金上限額1000万円または500万円を倍加する仕組みがない点、「企業間データ活用型」補助率が2/3その他は1/2である点などは新年早々のブログでお伝えした通りです。

またその中で、「企業間データ活用型」は補助率や200万円×社数の上限額追加があって有利でも、対応できる企業はそれほど多くないこと、及び「一般型」で補助率のアップに努める方が1社あたりの採択率が高まる可能性があるとお伝えしました。

ただし、公募要領が公開されるまで「一般型」、「小規模型」の補助率が1/2から2/3のアップするための条件と、評価における加点要素との関係がはっきりしていなかったため、わかりづらい面もありました。そこで、今回はこの点を中心に整理します。

まず、補助率のアップと評価の加点の二つの要素があるので分けて考えます。まず補助率が1/2から2/3にアップする条件について。

これは事前情報の通りで、「一般型」では「先端設備導入計画」が認定されていること、及び「経営革新計画」が承認されていることのどちらか一方に当てはまる必要があります。また「小規模型」では、申請者が小規模事業者であることが条件となります。

これらのうち「一般型」における「先端設備導入計画」の認定については認定制度自体がまだ始まっていないなど少々ややこしいので後で説明します。

次に評価における加点の条件について。これは「小規模型」に応募する小規模事業者、および北九州北部豪雨の被害企業という条件を除き、以下の3つが全事業類型共通の加点要素となります。

  1. 総賃金の1%賃上げを実績した、または予定している
  2. 先端設備導入計画の認定申請を予定している
  3. 法令に基づく各種取得計画(以下のどれか一つ)を取得している
    経営革新計画の承認
    経営力向上計画の認定
    地域経済牽引事業計画の承認


上記の内1の賃上げについてはこれまでと同様です。また3.②、③の計画認定/承認については、実は結構突っ込みどころがあるのですが、残念ながら今回は紙面が足らないため関連サイトのみのご案内とさせていただきます。

今回の注目は2の先端設備導入計画の認定、3①経営革新計画の承認が、「一般型」の補助率を2/3にアップさせる条件と重なっていることです。つまり、このどちらかを取って「一般型」に応募すれば、補助率がアップして同時に評価も加点されることになります。

経営革新計画の承認については弊社のウェブページでも解説しているのでご興味ある方はご参照ください。

ただし、経営革新計画の承認申請をこれから始めようという場合、4月27日までに少なくとも申請を受理してもらう必要があることを考えればかなりの負担になります。しかもすでに各都道県の申請窓口が混み合っているという噂もあります。

そこで問題は先端設備導入計画の認定取得です。「問題」というのは、
  • 立地する地方自治体が、この制度の根拠となる固定資産税特例措置を導入しない(あるいは間に合わない)場合もある。
  • 計画認定の受付開始時期は3月中と言われているが現在は未定、申請内容も未公開
という状況だからです。

補助率や評価加点等の好条件を期待して「一般型」を狙う方は、先端設備導入計画の募集が始まるのを片眼で睨みながら、申請書の作成を進めてください。

本記事は2018/03/05時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

まだ生まれざる生き物よ初霞  (三橋 敏雄)

寒暖の差の激しい今日この頃ですが、静謐な朝もやの下で地中にうごめきつつある命と共感しているような雰囲気に惹かれます。啓蟄のために作られたような句ですね。