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NEDOの多岐にわたるベンチャー支援

2021/04/12

NEDOが推進する「ベンチャーエコシステム」は、これまでも何度かご紹介しましたが、昨年度から補助金事業名で使われていた「研究開発ベンチャー」が「研究開発スタートアップ」に変わり、メニューにもマイナーチェンジがありました。

昨年度中は、コロナ関係の補助金のご紹介で忙しく、ベンチャーエコシステムのアップデートをする余裕がなかったので、今回は公募中の「NEDO Entrepreneurs Program(NEP)」を糸口に今年度の動きをご案内します。

本事業の支援の対象は、具体的な技術シーズを活用した事業構想を有する『起業家候補人材』が行なうPoC(Proof of Concept:技術シーズやビジネスプランの実現性の実証)です。PoCという言葉もかなり浸透してきました。

その「目的」の記述の中で「研究開発スタートアップ」の定義が掲示されています。以下、公募要領から引用します。

――研究開発型スタートアップとは、以下の条件をすべて満たす企業をいいます。

  • 試験研究費等が売上高の3%以上、又は研究者が2人以上かつ全従業員数の10%以上であること。
  • 未利用技術等、研究開発成果が事業化されていない技術を利用した実用化開発を行うこと。

この定義はNEPだけでなく、年間を通じて公募が行われる7つの事業で共通しています。NEPの事業内容については補助金のページを参照していただくとして、ここでは残りの6つの事業をご案内することで全体像をつかんでいただきます。
  • TCPTechnology Commercialization Program:起業家候補人材の発掘のための研修とビジネスプランコンテストを通じた育成支援
  • STSSeed-stage Technology-based Startups:NEDOがVC(ベンチャーキャピタル)を認定し、そのVC等が出資する研究開発型スタートアップへの事業化を支援
  • CRICollaboration with Research Institute:橋渡し研究機関と共同研究等を行う研究開発型スタートアップへの事業化支援
  • SCAStartups in Corporate Alliance:既存の事業会社と共同研究を行う研究開発型スタートアップへの事業化支援
以上4件は2019年度以前から継続している事業です。ただしCRIとSCAは2021年度の実施計画に記載がないので、今年度は休止となるようです。また、2020年度から追加された事業があります。
  • PCA=Product Commercialization Alliance:既存の事業会社と連携する構想を持つ研究開発型スタートアップへの事業化支援
さらに今年度、コロナ禍の影響を反映して事業転換を図るスタートアップを対象とした事業も追加されました。
  • TRY=Promotion of Technology Startups that Innovatively Respond to Economic Changes to Yield Social Benefits:経済構造の転換に資するスタートアップの事業化促進事業
他にも研究開発型スタートアップの成長支援する人材を登録するSSAがありますが、スタートアップへの直接支援ではないので割愛します。

今回は概要だけでスペースがなくなりました。個別の事業の解説については公募のタイミングに合わせてお届けします。

本記事は2021/04/12時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。