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「クール・ジャパン」の海外進出へ4,600万円

2013/06/03

今日ご紹介する助成事業は、経済産業省が力を入れている「クール・ジャパン戦略推進事業補助金」です。

日本の新旧のライフスタイル・価値観を反映した日本の製品やサービス等の付加価値を高め、海外市場の獲得(アウトバウンド)国内各地への観光誘致(インバウンド)とのどちらも推進させる目的で、3つの類型に適合するプロジェクトを応援するという事業です。


3類型の内容など詳しいことは「助成金のページ」を参照していただきたいのですが、こちらでは公募要領やQ&Aの内容から経産省の事業への思惑を慮ってみます。

まず応募者に求められる体制ですが、必ず「法人」であること(個人は不可)、そしてその法人には「事業の管理運営について責任を持つ能力を有する」という形容詞が所々で見受けられます。

社長一人の個人事業主であっても「法人」ではあるのですが、たとえもう少し大きな企業でも「この分野は初めての経験です」というのでは適格性の面で採択は難しいと思った方が良いです。

そしてその応募者が提案するプロジェクトについては、「クール・ジャパンを担う中小企業、クリエイター、海外販路開拓を担う内外の企業、メディア等で企業チームを形成すること」と、かなり詳細に構成要員を指定した上で、「プロジェクトを管理・運営するビジネスプロデューサー」の設置が必須条件であるかのような位置付けにしています。

そして公募要領では上記のプロジェクトチームを「企業チーム」、Q&A (PDF)では「コンソーシアム」と呼んでおり、特にビジネスプロデューサーとクリエイターについてはどうやら外部から経験者を招聘する前提で考えているようです。

Q&Aに「プロディーサーは有名人でないとだめですか?」という主旨の質問があり、回答は「知名度は評価対象ではなく実績を重視」となっていますが、大体知名度と実績は一致するので、本を出しているようなよく知られている人の方が有利なのは間違いないでしょう。これはクリエイターに関しても同様だと思います。

こうやって見ると、実際のプロジェクト運営は「経験のあるプロデューサー」が、商品やサービス、あるいはクリエイターの作品を海外や国内で販売するための販路を開拓し、イベントを企画・運営していく構図が浮かびます。

でも、申請についてはそのプロデューサーは個人では応募できず、コンソーシアムのメンバーである中小企業が応募者となる形が推奨されるという、少々おかしな建付けが表れます。(中小企業以外の法人も応募可能だが助成率が2/3から1/2に下がる)

つまり、経産省としては海外に「クール・ジャパン」を売り出すためのイベントや企画は法人個人に関わらず経験と実績のある実力者にプロデュースしてもらいたいが、助成金を出す以上資金調達能力を経産省自身が評価できる「中小企業」に資金面の責任を持たせたいという思惑が見て取れます。

応募を検討されている方は、このあたりの事情を考慮して申請書を作成すれば、採択の可能性は高まると思いますので、検討してみてください。

本記事は2013/06/03時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

樹も草も 静かに梅雨 はじまりぬ(日野 草城)

梅雨入りのころ、寝静まって屋根に落ちる雨音などが耳に届くと、確かに世界が静まったような気がします。荒れた事件ややるせないニュースが多い昨今では貴重な一瞬ですね。

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