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「戦略的次世代バイオマス…」に見る専門用語解説

2012/06/04

今回はNEDOによる「戦略的次世代バイオマスエネルギー利用技術開発事業」のご紹介です。と言っても内容がかなり専門的なので、応募する方はそれほど多くないかもしれません。

なので、今回はこの事業でも使われている「戦略的次世代」という用語に注目します。まず「戦略的」はあとに回して、「次世代」から。

次世代とは…

研究開発助成金でよく使われる用語に、「実用化」、「革新的」、「次世代」などがあります。どれもなんとなく読み流してしまいそうですが、わりと厳密に区別して使われているので知っておくと便利です。

技術開発の難しさの順番では「実用化」<「革新的」<「次世代」となり、右に行くほど現在すでに利用されている技術と比べて高度な技術内容が求められます。

逆に応募する側の負担率は「実用化」>「革新的」>「次世代」となることが多くなります。即ち右に行くほど政府の支援が増えるということですが、これは実用化が遠いほど投資リスクが高くなるので、チャレンジする企業への支援を強化するという考え方です。

今回の「戦略的次世代バイオ」でそのあたりを確認すると、「ジェット燃料及び船舶燃料代替バイオ燃料」などと、バイオ燃料ながら飛行機が飛ばせるほどの高品質が求められています。

しかも製造コストは「2020年の目標としているバイオエタノール製造コスト40円/L」の1/2以下など、かなり難しい注文が付けられています。

負担率では、産学官連携での参加の場合政府の100%負担、すなわち応募者の投資リスクはゼロとなっています。

戦略的とは…

そして、「戦略的」という用語ですが、これは「監督庁が考えた国家戦略」に関係した事業であることを意味しています。

本事業の場合は2006年5月に提案された経済産業省の「新・国家エネルギー戦略」に含まれる「2030年までに輸送用燃料の石油依存度を80%に引き下げる」という目標とリンクしています。

自社の技術を製品化するための助成金をお探しの方は、これらの「業界用語」を知っていれば助成金のタイトルだけである程度の予想ができると思いますので参考にしてください。

本記事は2012/06/04時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

あぢさゐや きのふの手紙 はや古ぶ (橋本 多佳子)

これは絶対女の句です。男は場合によっては何年たっても思い出の品が捨てられないなど未練がましいのですが、女は昨日受け取った別れの手紙でも、梅雨の翌朝に紫陽花が咲けば、すぐに古んでしまうようです。うらやましい限り。