助成金額「1000万円」から育てましょう
自宅近くにいわゆる「地域の花名所」がいくつかあるので、昨日は早朝から車で足早な花見を済ませ、そのあと私学会館に用事があったので飯田橋でおりて外堀の桜並木を市谷まで歩きました。今日から暖かくなるようです。次の雨で東京の今年の桜は見納めでしょうか。
さて
今回はNEDOから公募中の「新エネルギーベンチャー技術革新事業」について、少し詳しく説明します。
目的は脱石油、脱原子力のための新エネルギーの開発に投資して、将来のエネルギー需要を担う新技術を育てたいということです。
フェーズがA、B、Cの3つに分かれており、それぞれ上限金額がAは1000万円、BとCは5000万円となっています。
ただし助成率がA、Bが100%、Cは2/3となっているので、事業費の総額で考えればA、B、Cの順に1000万円、5000万円、7500万円と増えていきます。
またフェーズAは「フィジビリティスタディ―」とされており、実際には調査費や事業化計画を作成するための人件費が主な経費となります。
Bのキーワードは、信頼性・品質の向上、最適運用、産学連携などで、フェーズAで有効性を検証した技術を使えるものにしてくださいというフェーズです。
更にCは、事業化に向けた実用化、実証研究などの言葉が使われており、要するにお金が稼げる技術にしなさいというフェーズです。
その上に、ハンズオン方式即ちNEDOから事業化の専門家を派遣して、所謂ステージゲート方式でフェーズAから段階的に資金投与を進め、利益が出せるところまで面倒みましょうとの意図です。
つまり、新エネルギー技術に関するアイデアの段階からNEDOが関与し、手取り足取りで事業化に導くということ。
これは、過去に数千万円規模の税金をつぎ込んだにも係わらず、「技術開発は成功。でも事業化は失敗。」という山のような事例への反省から、NEDOの関与によって何とか収益があがるところまで新エネルギー技術シーズの育成を実現したいという考え方を示しています。
逆に言えば、NEDOは、税金を投入した結果の責任を問われる立場でもあるということです。なので、投入する資金を最小に抑えたフェーズAでじっくり見極めて、フェーズB以降の5000万円を投入すべきかどうかを判断するというのがこの事業の仕組みです。
従って、申請する側から見るともっとも魅力的なBに、初回から応募はかなり採択の可能性が低いのです。
ルール上は認められていますが、関係者に言わせると、「フェーズAに採択された企業が1年間に挙げた実績以上の成果を申請書で示せないと採択は困難」とのこと。事業化の成果に責任を問われる立場としては理解できます。
ですから、「アイデアや特許はあるが、実現可能性を確認したい」という方にはぴったりの事業ですので、ぜひフェーズAから挑戦して3年後の事業化を目指してください。
季節の俳句
ちるさくら 海あおければ 海にちる (高屋 窓秋)
調べてみると、窓秋は1910年生まれだそうで少し前の時代の人ですが、この句を見たとたん目の前に完璧な画像が浮かび、いきなり映画館の中にいるような錯覚を覚えました。言葉とは時代を超えていろいろな力があるものです。
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