採択結果に秘められたストーリーを読む!
今回は公募助成金のご案内ではなく、公開された採択結果をどう読むかについて私見をご披露したいと思います。
昨年12月に「平成23年度国内立地推進事業補助金」という事業がありましたが、今年度に入った4月にも「平成23年度国内立地推進事業補助金2次公募」というのが行われました。
そもそも平成24年4月に平成23年度の名前が付いた公募が行われたのも変ですが、先日公開されたその「2次公募」の結果 を見ると、昨年から今年にかけて経産省がどのような考えで予算を動かしているかが見えてきます。
まず24年度に行われた「23年度補助金」の意味ですが、これは東日本大震災の復興予算の一部として経産省で昨年度予算化された約3000億円の「国内立地推進事業」予算が、実は使い切れずに900億円強が余ってしまったのです。
ただ、この予算は復興のための特別予算なので、毎年継続して計上するわけではなく、余ったら返してしまえばよいはずですが、あえて年度を越えても使い切りたい事情が経産省にはあったようです。
初回の採択結果を見ると、採択された245件に対して中小企業は81件(33%)のみであり、2/3が大企業でした。これはこの事業の目的が「国内での雇用確保」であるため、数10億円を超える投資額と数100人の雇用を目指す計画を提案した大企業を優先した結果とみます。
審査段階であまり低いレベルの提案まで採択するわけにはいかないため、900億円以上の予算が余ったわけですが、常々中小企業の育成を謳っている経産省としては、不採択となった中小企業の中から比較的提案内容が優れた企業にこの分を廻したいと考えたようです。
そこで「平成23年度2次公募」と銘打って、異例ながら年度が明けてから公募が行われたのです。2次公募の採択結果を見れば採択数265件の内中小企業が164件(62%)を占めており、初回の採択結果と逆転しています。
2次公募に向けては、初回不採択だった企業に経産省から「2次公募があるから提案内容をブラッシュアップして再応募しませんか」との誘いもあったらしく、2次の結果は応募した中小企業299社の内半分以上の164社が採択されました(初回は22%)。
経産省は3000億円の復興予算を、大手による雇用確保と中小企業の復興支援という目的を、結果的に2回にわたる重点を変えた公募でバランスよく配分することに成功したようです。
季節の俳句
鹿の子のにも ものみる眼 ふたつづつ (飯田 龍太)
我が家には『べる』という犬がいますが、彼女は何かにつけてこちらの目をじっとのぞきこむ癖があります。「何かくれないかな」とか思っているらしいのですが、それにしてもつい顔が緩んでしまいます。小鹿に見つめられた龍太も頬が緩んでいたと考えると楽しいですね。
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