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リモートでの海外展開も支援

2021/11/15

今回はJICA(独立行政法人国際協力機構)による「中小企業・SDGsビジネス支援事業」をご紹介します。

JICAが100%負担する委託事業でありながら、そこそこ柔軟なので人気がありますが、現在は予告の状況で、12月1日から27日が公募期間となっています。

この事業は、JICA自身が応募予定の企業に対して事前相談を薦めているのですが、その期間が公募開始前に限られているため、応募を検討される方は、面会であれ電話であれ、是非11月中にJICAの担当窓口に相談されるようお勧めします。

ところでこの事業は2019年にもご紹介したのですが、2年後の今、新型コロナ感染症の影響が見られます。その影響については後に触れることとし、まずは大枠を見てみましょう。

事業の簡単な構成としては「基礎調査」、「案件化調査」、「普及・実証・ビジネス化事業」の3つに分類されており、これを例えば縦に3つ並べたとすると、それを横に切る形で各々「中小企業支援型」と「SDGsビジネス支援型」に分かれる構造となっています。

ただし「基礎調査」については「中小企業支援型」のみの適用となるため、合計5つの区分で構成されることになります。また「SDGsビジネス支援型」は基本として大企業が対象となっているため、ここでは「中小企業支援型」の3分類のみを対象とします。

ここまでは2年前と変わっていないので、詳細については前回の記事をご参照ください。

続いて、新型コロナ感染症の影響をご説明します。

開発途上国の開発ニーズと国内企業の製品・技術等とのマッチングによりODAを通じた関係強化や経済関係の推進を目的とするこの事業は、当然ながら海外出張を前提としていますが、新型コロナ感染症はこの前提を壊してしまいました。

そこで、昨年度から提案の内容を従来通りの「一般型」と、日本国内での調査活動及び現地人材を活用した遠隔調査等で行う「遠隔実施型」の二つを用意し、後者では海外渡航を伴わずに実施可能な活動を対象とすることとしました。

また「遠隔実施型」では採択後、または事業途中で対象国が渡航可能となった場合、海外渡航を伴う活動への変更・追加も可能という柔軟な仕組みも用意しています。

次に、新型コロナ感染症とは関係ありませんが、前回のご紹介時と異なる点として「地域金融機関連携案件」に対して審査で加点するという制度が追加されています。

提案法人と地域の金融機関が連携して海外展開を検討・調査することで、地域活性化に一層資することを目的としており、提案法人と取引のある地方銀行や信用金庫等の地域金融機関に所属する人材が外部人材として参画する提案を対象とします。

この案件については審査での加点に加え、各分類の上限額とは別に地域金融機関所属の外部人材の費用が支援対象となります。

つまり、中小企業支援型の各分類におまけをつけるような仕組みですが、今年度第2回目の公募ではこの「おまけ付き案件」のみが対象となるのでご注意ください。

「このような事業であれば是非応募したい」という方は、最初にお伝えした通り、公募が始まる前の11月中に必ずJICAの窓口にご相談ください。

本記事は2021/11/15時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

霜月や 雲もかからぬ昼の富士 (正岡 子規)

捻りもなくそのまんまの一句で驚きます。それだけに、東京に住んでいた子規が霜月11月頃、空が冬の空気に入れ替わり、やっと昼間も富士山が望める季節になった嬉しさを句にした気持ちがまっすぐ伝わります。