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3年で最大8,000万円「TOKYO戦略的イノベーション促進事業」──連携済みの企業には狙い目

2026/07/16

TOKYO戦略的イノベーション促進事業コンサルタントの南郷です。今回は、令和8年度の申請エントリーが始まった、東京都中小企業振興公社の「TOKYO戦略的イノベーション促進事業」を取り上げます。

TOKYO戦略的イノベーション促進事業の概要

まずは今年度の事業の概要を見てみましょう。

助成対象事業他企業や大学等との連携で事業化を目指す技術・製品開発
助成上限/助成率 8,000万円/2/3
助成対象期間令和9年3月~令和12年2月(最長3年)
助成対象者東京都内中小企業等(他社・大学等との連携が必須)
申請スケジュール申請エントリー:令和8年7月9日~8月12日
書類提出:令和8年8月14日~9月3日(Jグランツ)

他の多くの事業同様、支払は後払い・完了検査で確定します。そのため、開発資金は自己で先行負担します。

なお、エントリー時に必要なGビズIDプライムのアカウント取得には、2週間ほどかかります。申請される方は、助成金申請と並行して早めに着手しましょう。

連携が「必須」だからこそ、連携済みの企業には使いやすい

TOKYO戦略的イノベーション促進事業は他企業等との連携が必須本事業は、他企業・大学・公設試等との連携が要件です。申請時には連携先の役割分担を記載するほか、連携先自身にも「関心表明書」の提出が求められます。これでは、エントリー締切まで1か月を切る現在、ゼロから連携先を探すのは、正直きびしい。上限8,000万円という魅力的な支援を求めるライバルに抜きんでることは難しいでしょう。

裏を返せば、すでに大学や他社と連携している企業は優位にあるということです。共同研究や技術開発のパートナーがいる企業は、連携という最難関の要件を最初からクリアしているからです。実際、令和7年度の採択内容を見ると、アカデミア発ベンチャーや大学連携型のプロジェクトが目立ちました。

採択を分けるポイント1:課題ストーリー

もちろん、連携があれば安易に採択、というわけではありません。重要なのは「東京都のどの都市課題を、自社のコア技術と外部の知見でどう解決するか」というストーリーです。

開発支援テーマが指定されている「イノベーションマップ」の課題をベースにする。連携先の役割を織り込む。これらを踏まえて事業計画を作成するだけで、採択の可能性は大きく上がるでしょう。

採択を分けるポイント2:達成目標

TOKYO戦略的イノベーション促進事業の事業計画もう一点、見落とされがちなのが達成目標です。この助成金は設定目標が未達だと助成金が支払われません。「盛った」定量目標は自らの首を絞めます。第三者が客観判定でき、かつ確実に届く水準に置く。この匙加減こそ、連携体制と並ぶ採択後まで効く勘所でしょう。

本事業をお考えの方は、これらポイントをおさえて事業計画をつくりあげましょう。

本記事は2026/07/16時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

コンサルタントのひとりごと

このところ、Claude Codeの話題を至る所で耳にします。私自身はまだ触れていないのですが、これまで数人のエンジニアを抱えて回していた開発が指示ひとつで形になっていくという話を聞くと、無視できないものを感じます。この流れが本物なら、「今年は一人オーナー会社が流行るかもしれない」と本気で思えてきます。

オーナーがClaude Codeを回しながら、開発も試作も検証も自分の手元で進め、事業そのものを一人で動かす──少し前なら絵空事だったこの働き方が、現実味を帯びてきました。人を雇わず、身軽に、しかし本格的な開発をやる。そんな小さな会社がこれから増えていく気がします。

そうなると次の関心は、「一人オーナー会社でも使える補助金はあるのか」です。本事業のように連携必須・下限1,500万円という制度は、正直この層には重い。一方で、規模の小さい事業者や創業間もない一人会社にこそ向いた制度も探せば見つかります。次回は、その視点で使える補助金を掘り下げてみようと思います。