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上限5億円!大きくなって復活したイノベーション助成金

2013/02/04

前回お伝えした緊急経済対策予算の中から、1月31日付けでNEDOの「平成24年度イノベーション実用化ベンチャー支援事業」の公募が始まりました。

この事業は以前「イノベーション推進事業」の名前で実施されていたもので、年間の助成金上限が1億円、助成期間2年という、助成金としては最高額の事業の一つでしたが、実は平成23年度を最後に終了したのです。

しかし今回の補正予算で、少しだけ名前を変えて、わずか1年(正確には5月から来年2月までの10か月間)の期間で、なんと助成金上限5億円という巨額の助成事業となって復活しました。助成率2/3なので全額を助成して貰うためにはなんと10ヶ月で7億5千万円を使わなければならないことになります。

と言ってもピンと来ないかもしれません。私自身は企業・大学のお客様へのご支援で2~3年間かけて3億円程度の経費を使う事業を何件かご支援してきたので、よほどこの手の事業に慣れている企業や産学官連携部門がしっかりした大学であっても、その経費管理が難しいことを体験してきました。

というわけで、大企業であっても年間7.5憶円(助成金は5億円)の開発計画を提案することは難しいと思います。恐らく申請の中心は助成金額が1億円から2億円程度の提案が大半でしょう。

仮に助成金額の平均を大目に見て2億円としても、総額予算100億円なので50件が採択されることになります。この採択件数も、以前は毎回10件程度であった「イノベーション推進事業」と比べては大幅な増加となるので、却ってNEDO側の管理体制が維持できるのかと心配になるほどです。

ところで、今回の「イノベーション実用化ベンチャー支援事業」は金額の大きさを除けば申請書に求められる内容は以前の「イノベーション推進事業」の申請書の項目とかわりませんが、今回の審査基準に「加点事項」と言うのが増えている点には要注意です。

公募要領の中で、「審査の際に加点される項目」として下記の5項目が記載されているので、申請書上にできる限り5項目全てに応える内容を表現するように努力して下さい。もっとも見ての通り第1項や第4項については該当しなければどうにもならないので、他の部分で補う必要があります

  1. 設立10年以内であること
  2. 必要な事業資金を提供してくれる金融機関との連携ができていること
  3. 実用化後の製品を採用する取引先が決まっていること
  4. 過去にNEDOの支援で実施した実績があること
  5. 地域経済活性化に貢献すること

すでに先週の段階でNEDOへの問い合わせが殺到していると聞いています。応募される方はNEDOの公募ページにある説明会に参加するなど十分に情報収集を行い、3月21日の締め切りに備えてください。


本記事は2013/02/04時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

早春の 野は一木と 風と雲 (豊田 都峰)

今日の天気にぴったりなので選びました。日の出の時刻などで近付いてきたことは知れても、もうしばらくは待たされる春です。