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潮の変わり目?「サポインの変」

2013/05/20

今年も昨年とほぼ同じタイミングである6月20日締めで「戦略的基盤技術高度化支援事業」(サポイン)が公募されています。今年の表面上の大きな特徴は、従来初年度上額が4500万円一本だったのが、社員20名以下(製造業の場合)の「小規模事業者型」という、上限2400万円の別枠ができたことです。



サポインは一般の助成金と異なり、100%支援されるので、たとえ1/3の自己負担でも苦しいという小規模事業者にも人気のある支援事業ですが、今回はその小規模事業者の採択を増やすという目論みを明確に出してきたということでしょう。

ものづくり企業への支援は平成24年度の補正予算でも設備投資に対して上限1000万円の助成を行う「ものづくり試作開発」のための予算を1007億円も確保するなど、「薄く広く」という、昔々の「中小企業誰でもばらまき」型に近付く傾向がありますが、その方針がサポインまで及んでいるようです。


ただ、この思惑が実現するかについては、私は少々懐疑的です。というのはサポインの特徴として「事業管理機関」を表に立てる必要があるのですが、近年その役割を担う機関の数が極端に減っていることと関係があります。

サポイン事業が始まったころは多くの大学や公的機関がこのを担う「TLO(産学官連携機関)」という部門を設立して外部の企業からの提案を受け入れていたのですが、採択後の事業管理業務の負担が大きい割に、事業管理機関の収入となる「間接費」が少ないため割合わないことがわかるにつれて、ほとんどの機関が実質的に撤退してしまったのです。

現在も事業管理機関を受け付けている、いわば「生き残り」はこの間に効率化をすすめ、1回のサポイン事業で10社以上の支援を行うような猛者が残ったということになります。

但し、今回のように「小規模事業者」を多く採択する構造が入ってくると、3年間の総額でも1件当たり約一億円となる一般枠と比較して高々5000万円の案件が増えるわけで、「事業管理機関」にとっては、手間は変わらず実入りが下がるという嬉しくない傾向となります。

そこで、事業管理機関側ではかなり「小規模事業者」を選別するであろうことは容易に想像できます。「小規模事業者」はそもそも資金力がなく、自身が資金調達者である事業管理者になるのは困難なので、結局技術シーズを持っていても応募できない小規模事業者が増えてしまうのではないかと考えています。

今回応募を計画されている方はこれらの動きを頭の片隅において慎重に応募準備を進めてください。

本記事は2013/05/20時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

バスを待つ 大路の春を うたがわず(石田 波郷)

「大路」はおおじと読みます。もうすこし早い時期の句かと思いますが、今年は4月にも豪雨があり、気温もゴールデンウィーク頃まで低い日が多かったので、「春をうたがわず」に共感できたのはやっと先週位だったでしょうか?

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