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長期安定 民間由来の助成事業

2010/03/09

年初に経産省管轄のNEDOが動き出したとお伝えた通り、その後大型案件を含む幾つかの予告が出されていますが、その多くが3月半ば以降の公開予定であり、公募要領も発表されていません。
つまり例年と比べると3~4カ月遅れており、助成期間の始まりも同様に遅れるでしょうから来年度は助成事業の期間が例年よりかなり短縮され、採択された企業は苦労するかもしれません(このあたりの事情は次回以降にお伝えします)。
今回は政権交代に影響を受けている政府系の助成事業を尻目に、毎年4月と10月の2回確実に助成事業を行って、次回が85回目となる、大変安定した「新技術開発助成事業」を運営している『新技術開発財団』をご紹介します。
この財団は、リコーの創立者で三愛グループの統括者であった故・市村 清 氏が、日本の科学技術発展への貢献を目的として提唱し、設立された財団です
助成事業は財団設立の昭和43年から始まり、今回で85回目となりますが、財団のホームページにかかれた年表を見ると
○ 昭和43年 12月12日、新技術開発財団設立許可
○   同年   12月16日、市村氏逝去
と記されており、日本の科学技術力向上に対する氏の意思を文字通り引き継いだような設立であったようです。
また財団の元となった基金は、遺言により寄付された市村氏の個人資産(当時の時価で30億円)とのことであり、これは現世で財産を築いた人のお金の使い方としては、最もお洒落なものの一つではないでしょうか?

本記事は2010/03/09時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

啓蟄や 生きとし居きるものに影 (斉藤 空華)

春に向かうこの時期は、どうも命と季節の出会いを謳う句に惹かれてしまいます。