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『文科系』も創業前も!800万円の助成金

2012/10/02

今回ご紹介する助成金事業は、第1回目が平成20年度に始まり、今回で9回目となる「地域資源活用イノベーション創出助成事業(地域中小企業応援ファンド)」です(都内限定で申し訳けありません)。

この5年間、東京都中小企業振興公社から確実に半年毎の公募が行われ、この事業を目標として製品やサービスの開発を目指す人が増えてきたようです。お蔭で最近はかなり高い倍率となってしまいました。

もっとも、過去2年間その年の第2回公募は11月末が期限だったのですが、今回は突然10月26日が締切となり、かなり焦りました。公社にも電話で訳を聞いてみましたが、特に何らかの意図があったわけではないようです。

この助成金については過去何回かメルマガでその特長をお伝えしてきました。最近では他に例を見ない「創業計画中の個人も対象とする」とか、地域資源の活用または都市問題解決という視点から、大変幅広い分野で応募が可能であるとか。

特に対象分野が広いという点については、かなり特異な存在となってきています。なぜなら経済産業省の「技術戦略マップ」の影響から、全般的にものづくり系やバイオ・医療系への予算シフトが強いためです。

過去の採択事例を見てみると、そもそも第一回目から「既婚女性のキャリア育成」、「セカンドライフの達人講座」、「AKIBA Air Gallery」といった所謂理工系で無い提案が13件中3件あったのですが、直近の第8回の採択事例を数えてみると子育てワークショップ、高齢者スポーツクラブ、ベジタリアン店舗検索、創業支援士業グループなど、“文科系”の提案が19件中10件と半分以上を占めるに至っています。

この様な特徴のある助成金事業が他県や国レベルでも行われれば、日本も結構元気になると思うのですが、残念ながら他に(少なくとも首都圏近辺では)見うけられません。

もっとも、審査する立場で考えれば、分野が広いほど必要な審査員の専門性の幅が広がるので、人材が集約している東京都以外では国レベルでないと実施は困難かもしれません。

何年か前まで経産省傘下の中小企業基盤整備機構が創業準備中の個人も対象とした手ごろな助成事業があり、私も応募のご提案をしやすかったのですが、民主党政権下での事業仕分けですっかり予算が厳しくなった基盤機構では復活は難しいと思われます。

なので、前述のような“文科系”事業計画をお持ちの方はこちらの方にどしどし応募してください。

本記事は2012/10/02時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

いつも一人で 赤とんぼ (種田 山頭火)

山頭火は夏の句に好きなものが多いのですが、秋と、その先に待つ冬も思い起こさせる赤とんぼに一人対峙するこの句は、放浪の辛さへの覚悟を表明したような印象を受けます。