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高齢社会への対応を目的とした大型事業S-Innovation

2010/11/01

昨年以降の事業仕分けでかなりの予算削減を迫られ、弊社がご支援したお客様でも採択確定後に予算縮小を余儀なくされた案件がいくつかあったJST(独立行政法人科学技術振興機構)ですが、今回あっと驚くような公的事業の公募が発表されました。

事業の目的は「高齢社会を豊かにする科学・技術・システムの創成」とされており、今後確実に高齢化が進む日本で、情報通信技術やロボットの力を借りて、できる限り高齢者の社会参画を支援し、つまりできるだけ社会を支える立場でいてもらえる時間を長くしたいという計画です。(詳しくはこちらを・・・)
で、驚いたのは、今月26日締め切りのあと12月下旬に採択案件の発表を行い(ちょっと信じられないスピードですが)、平成23年1月からの1年間で「企画調査研究」という位置付けの課題を10~15件程度採択するそうで、この期間に支払われる委託費(100%政府負担の場合の言い方です)上限が一件当たり2,000万円
次に平成23年末にはその調査結果を受けて5件程度を採択して本採択課題とするとのこと。本採択されると年間上限額7,000万円、最長10年部分の製品化のための費用が支払われます。
さらにJSTの予算の慣例で上記の金額を『直接費』と呼び、その30%に当たる金額を『間接費』としてほぼ自動的に支給しますので、企画調査から本採用となった課題には大かた10億円ほどの資金が提供されるということになります。
これまでも最高で年額1億円クラスの助成金(一部自己資金が必要)はいくつかありますが、通常長くて3年程度なので、100%政府負担で総額10億円というのは珍しい規模です。
ITやロボットで五感や体力の衰えを補佐してもらい、「少々衰えてももっと働きなさい」ということのようで、今の世の中おいそれとおいぼれてもおれぬようです。  

本記事は2010/11/01時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

天よりの 地よりの黄葉 明りかな (早川 水鳥)

黄葉はモミジと読むのでしょうか?確か朝日新聞の俳句欄で見かけた句ですが、通勤途中の大銀杏が目の前に浮かびました。まだ少し早すぎるかもしれませんが、角を曲がった途端に地に敷き詰められたいちょうの黄が輝く朝が、今年もやがてやってくるのでしょう。