「地域」にこだわる文科省
今回は助成金のページでご紹介したA-STEPと今年度から連動することになった、文部科学省の新しいプログラムである革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)に関する話題です。
COI STREAM(以下COI)は平成25年度、新たに160億円を超える予算枠を確保し、おなじみのA-STEPとも連携しつつ「科学技術における産学連携のイノベーションで地域活性化と日本再生を実現する『場』を構築する」と謳っています。
しかし資料を見ていくと、イノベーションの内容は何やら抽象的な表現が多く、この手の文章を読みなれている私でもよくわからないのです。
それよりつらつらと資料を眺めていると、「産学連携で研究開発に取り組む『場』の構築により…」とまた『場』がでてきたり、COIを「国際科学イノベーション拠点」と呼んでみたりと、何やら「地域で産学が連携できる拠点の構築」が目的であるように読めます。
文科省の「地域・拠点」で思い出すのは、3年前、民主党政権となった後の事業仕分けで、「地域での産学連携による活性化は経産省予算で行っているので、文科省予算を二重に投入する必要なし。文科省は国家レベルでのイノベーションに集中して、『地域』の名がつく開発予算は召し上げる」とやられていたことを思い出しました。
そして当時、実際に文科省の地域拠点関連予算をコントロールしていた機関こそ、独立行政法人科学技術振興機構だったのです。
そう思って資料を読み進めていくと、まさに文科省の解説資料の中に「事業仕分けにより停滞してしまった地域発のイノベーションの創出を改めて強力に推進し、地域の元気を科学技術により取り戻す」という文章を見つけ、思わず吹き出してしまいました。
そうです。COIは「新たなイノベーション予算の創生」ではなく、文科省及びJSTが民主党の事業仕分けで取り上げられた「地域拠点」という予算枠(利権)を、自民党政権の復活でついに奪還した既得権益だったのです。
なので、イノベーションの内容は実はどうでもよく(と言うと怒られちゃいますが)、奪還した予算を当て込む「地域拠点」の再構築が、最も重要な予算目標となっているようです。
その雰囲気が「A-STEP」の公募要領に中にも表れています。A-STEPの公募要領は全371ページという膨大な資料ですが、その冒頭で6頁に渡ってCOIとの連携を説明しており、その中で地域の「拠点」をどのように構築していくかが熱く語られ、JSTの3年に渡る「地域」へのこだわりひしひしと伝わってきます。
今回はA-STEPへの応募にはあまりかかわりのない話題で申し訳ありませんでした。
季節の俳句
六月を 奇麗な風のふくことよ (正岡 子規)
「奇麗な風」とは、梅雨の晴れ間に吹く、湿っていながら清潔感を感じるあの風のことと勝手に決めつけています。学生のころは夏休みの計画に胸が躍った季節でしたが…。
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