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採択率2倍増!サポインは次回もチャンス

2014/10/28

今回は5月12日付けでお伝えした「サポイン大変身!」の続報です。実はこの時期適当な助成金・補助金事業の公募が少ないので、少し視野を広げて探したところ、今年度から事業内容が見直されたものづくり技術のための「サポイン=サポーティングインダストリー」の今年度採択結果に目が留まりました。

前回の補助事業情報(平成26年度戦略的基盤技術高度化支援事業)

正式には「戦略的基盤技術高度化支援事業」という漢字14文字の長い名前の事業ですが、覚えにくいにもかかわらず、助成率が100%、最長3年の事業期間、助成金上限1億円弱というほぼ同じ内容で平成18年から続いていた安定感もあり、平成25年度までは年々競争率の増加が続いていました。

5月12日の記事では、対象技術分野が22分野から11分野に再編成されて新旧の関係がわかり難くなり、何より企業向けの助成率が100%から2/3に減額されたことから応募者数の減少を予測していましたが、結果を見ると予想通りだったようです。

≫ 関東経済産業局:平成26年度 サポイン採択結果
≫ 同、全国採択結果

代表例として関東経済産業局と全国とで26年度の応募者数を25年度と比較すると、関東経済産業局は245件から135件(55%)に、全国でも653件から387件(59%)へと、どちらも大きく減少しています。

ただ、採択数を見ると関東経済産業局では40件から43件に、全国でも112件から150件へと逆どちらも増加しています。これは採択率に直すと各々16.3%から31.9%、17.1%から38.8%と、概ね2倍も上昇した結果となっています。

ざっくりいえば、約6人に一人しか採択されなかった事業が、3人に一人採択される事業に生まれ変わったということになります。ここ数年は4月~6月に公募されているサポインですが、今年度の結果を見ると来年もまだ狙い目と考えて良さそうです。そろそろ準備を始めましょう。

「そろそろって、ずいぶん先では?」と思いましたか?
そう思った方には「サポイン」の仕掛けをもう少し詳しく説明しましょう。この助成金事業に応募するためには、原則として事前に事業計画の認定を受けておかなければならない二段階式の事業なのです。

事前に認定される計画を「特定研究開発等計画」と言い、この計画を事前に申請して認定されたものを「認定計画」と呼びます。つまり、補助金事業である「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)」は事前の「認定計画」がないと対象にならないのです。

もっともサポインの応募と同時に「特定研究開発等計画」を提出することも許されるので、必ずしも事前の計画認定が必要という訳ではありませんが、助成金応募時に2つの計画書を作成することは大変な負担です。

さらに事前の認定申請では経済産業局への相談を通じて詳細にわたるアドバイスがもらえますが、サポインの応募との同時申請ではそのような余裕がありません。

という訳で、「わが社こそものづくり企業」と自負されている社長さんは、今から計画認定取得に向けて準備を始めましょう。詳細情報が必要な方はいつでも弊社にご相談ください。

本記事は2014/10/28時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

山々を 総べて富士ある 良夜かな (松本 たかし)

実は富士山ファンなので、冬場に通勤路の2か所から垣間見る富士さんを楽しみにしています。この句は夜なのでその様子が都内から直接見えるわけではありませんが、「山々を総べる富士」の心象は納得のいく絵です。