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上限1億円・H28補正予算最大の補助金

2016/10/11

さて、今回は今年2回目の公募が行われているNEDOの「中堅・中小企業への橋渡し研究開発促進事業」をご紹介します。上限1億円助成率2/3の大型の助成金です。

ただ、2回目といっても予算枠は1回目の平成27年度補正予算と違って、次のものづくり補助金と同じく平成28年度第2次補正予算に計上されているので、現在進行形の臨時国会での承認が前提です。

この事業は昨年度始まったものなのでこのブログでも取り上げましたが、特徴だけおさらいすると

「大学等に眠っている特許技術の掘り起こしとその事業化」がテーマであり、

  1. 経済産業省が日本中の大学や公設研究機関を「橋渡し研究機関」として認定する。
  2. 「橋渡し研究機関」が蓄積してきた特許技術の移転を受けて中小企業等が製品化する。
    または
  3. 企業側が持つ特許技術を製品化するにあたり「橋渡し研究機関」が支援する。

というもので、応募企業は採択後、必ずどこかの「橋渡し研究機関」との共同研究契約を交わすことが条件です。(詳細はこちら)(リンク先:NEDOウェブサイト)

昨年は補助金の公募と「橋渡し研究機関」の確認申請が同時進行し、混乱するのではと心配しましたが、今では主要な国内の研究機関を中心とした全国174件(2016年9月5日現在)の大学や公的研究機関が登録済であり、応募する際に心配はなさそうです。

この助成事業の特徴は、事業期間約1年の間に助成金上限:1億円を使って実用化開発を行うというかなり高額な支援事業であることに加えて、対象分野の間口が広いことが挙げられます。

最近の補助金・助成金は、ロボットとかIoTとか、対象分野をかなり絞り込み、表などで詳細に説明する傾向が強まっているような気がしますが、この事業の説明は、「新産業の振興のためのイノベーションの創出に資する新規性・革新性の高い実用化開発」の1行のみ。

この「新規性・革新性の高い実用化開発」という言葉はNEDOが3年程前まで実施し、分野を問わず「イノベーション」と言えるかどうかだけが評価の基準だった「イノベーション実用化」事業の流れを汲んでいることは明らかです。

分野の広さは採択実績に記載されているテーマ名からキーワードを拾ってみても一目瞭然で、「結核菌の薬剤耐性」、「架橋構造精密制御」、「介護ロボット支援システム」、「装飾めっき法」、「高出力深紫外線レーザ」等々、驚くほど多種多様です。

予算的には平成28年度第2次補正予算の本事業の総額は8億円とのこと。公開されている資料では、平成27年度の交付実績は10.8億円、平成28年度第1回のそれは11億円とのことなので、少々縮小されてはいます。

ただ、平成27年度、28年度の1回目の採択実績を見ると、前者が41/162、後者が23/92でともに25%(競争率4倍)でした。今回の競争率はこれより少し厳しいかもしれませんが、それほど大きな違いはないと思います。

という訳で、昨年度と比べると今年度全体の予算枠はかなり大きくなった様です。今年1回目の選に漏れた方、またイノベーションの創出に貢献できると信じる技術をお持ちの方はさっそく応募の準備を始めてください。

分野を問わず高額の助成金にチャレンジできる、今年2度目のチャンスです。

本記事は2016/10/11時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

コスモスにくつろぐ時間ありにけり    (稲畑 汀子)

久しぶりに昭和記念公園でコスモスを見ました。今年はオレンジと黄色の2色のキバナコスモスのみに絞ったアレンジで、曇り空にもかかわらず見事でした。