伝統的工芸品や地域産品の海外展開を支援
今回は株式会社リクルート生まれのインターネット情報サービス企業All About傘下の企業が主催する
「ローカル・クリエーターズ・マーケット2018」をご紹介します。
補助金ではなく、All Aboutが有するハイレベルな広告宣伝ノウハウを使って、無償で地域資源のプロモーションを行うという、いわゆる補助金事業とはかなり系統が違う事業ですが、実はれっきとした経産省の地域振興事業なのです。
事務局のAll Aboutは今年2月に行われた“平成30年度「ふるさと名物応援事業費補助金(産地ブランド化推進事業)」の実施事業者募集”に株式会社オールアバウトとして応募して採択されたようで、さすがに
正式公募サイトにはお役所らしさがみじんもありません。
その他にもお役所仕事らしからぬところがたくさんあります。まず応募が電子申請のみであること。ダウンロードしたエクセルファイルの申請用紙に必要事項を書き込み、それを電子メールに添付して窓口に送るという、補助金事業には珍しいお手軽申請です。
3つ以上の事業者の連携体であり、そのうち一つが自治体であることが応募条件であるにもかかわらず、印鑑が不要であることにも驚かされます。
この事業の目的は、「産地の海外販路開拓にかかる課題を抽出し、新たな切り口で地域産品等の産地ブランド化に向けた取り組みを、主に産地PRの観点から支援」することとされており、補助事業者の主体性が強く求められています。
それでは運営事業者のAll Aboutが行う支援の内容とはどのようなものか?公募内容を紹介するウェブサイトには下記の6つが示されています。
- プロジェクトチームの編成
- 事業計画のサポート
- ストーリーブックと動画による販促活動
- 継続的且つ効果的な情報発信と拡散
- 国内外とのビジネスマッチングを創出
- コミュニケーターの起用
そしてこれらの支援を行うために、地域活性化の活動に関する実績を有するプロデューサーを筆頭とするプロジェクトチームがアサインされるとのことで、同ウェブサイトでは3名のプロデューサーが紹介されています。
この支援体制にしても6項目の支援内容にしても、失礼ながら経済産業省のセンスとは思えないので、そもそも補助事業運営事業者を募集したときの公募要領を見てみました。やはり運営事業者に要求されている具体的な支援内容は「海外有識者の招聘」のみです。
そこで上記の6つの支援内容の内、「海外有識者の招聘」に該当するのを探してみると、「国内外とのビジネスマッチングを創出」のみです。つまり他の5つの支援内容はすべてAll Aboutのアイデアであることが分かります。
運営事業者向けの公募要領には「他に、事業目的達成に資する新規事業内容などがあれば提案してください。」との一文があり、応募者側の自由な発想を求めたことが分かりますが、All Aboutのこの方式は成功するのではないかと思われます。
因みにこの運営事業者All Aboutへの補助金は5000万円であることが公開されています。補助金という性格上All About側に利益が残るとは思えませんが、ブランディング等の何らかのメリットがあると判断したのでしょう。
このような方式が成功するか否か興味を惹かれます。あなたの地域の名物を世界に売り出すために、6つの支援が無償で受けられるこの事業を使ってみませんか?
季節の俳句
紫陽花や昨日の誠今日の嘘 (正岡 子規)
不思議なことに、この句は一切天候に触れていないにもかかわらず、雨の日に部屋から庭の紫陽花を眺めている風景が浮かびます。淡い後悔とともに自身を振り返る静かな時間にはやはり雨が似合うのでしょうか。
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