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IT導入補助金、残枠に期待

2019/07/22

IT導入補助金の第2次公募が始まりました。

上限額が50万円から450万円に拡大されて2回目となります。6月の第1次公募締切からひと月も経たない内に第1次公募の採択結果の発表と併せた第2次公募の開始は、補助金にしてはなかなか素早い対応です。

第1回目の公募については2月の時点で早々と解説を行いましたが、その際「前年度と比べて総額予算が500億円から100億円に圧縮されたので2回目はないかも」との予想をしたのですが、さて予想は当たったでしょうか?

IT導入補助金の公式ページの上の方にある「資料ダウンロード」のリンク先ページ内で、第1次の結果が公開されているので状況を見てみましょう。

まず上限が150万円の「A型」はざっと勘定すると約3800件。上限が450万円の「B型」は約440件。すべて満額採択の場合で計算すると、支払われる補助金総額は

(150万円×3800件)+(450万円×440件)=77億円。

ただし、もちろんすべての採択者が上限いっぱいの投資をするととは限りません。どうやら応募総数に関する情報は現時点で公開されていないようなので、勝手な予想ですが、補助金申請額の平均は上限額の70%以下と見ます。

根拠は、小規模事業者が中心のA型で、ITに300万円もの投資ができる企業はそれほど多くないと考えられること、補助対象が業務用パッケージに限られハードウエアもシステム開発費も対象外のため投資額が絞られると考えられること、などいくつかあります。

しかし定量的な予想は難しいため、70%はあくまで勘です。が、当たっている気はします。という訳で第2回公募の予算残額は、

100億円-(77億円×0.7)=46億円以上

と予想します。これは「2回目以降はないかも」の予想が大きく外れたことを示しています。
外れた大きな理由は、上限450万円のB型の採択件数が、全体の1割にも満たなかったことです。もちろん上限150万円(投資額300万円)のA型が多くなるとの予想はしていましたが、B型がこれほど少ないとは思いませんでした。

中小企業にとってIT化に300万円以上の投資をするのは、たとえ補助率1/2の補助金がついても、思いのほか難しいようです。

以上の傾向は2回目の公募でもおそらく変わらないと思います。つまり第2次公募のための予算残は当初心配したほど減っておらず、競争倍率はそれほど高まることはないと見ます。1回目の締切に間に合わなかった方は是非応募してください。

本記事は2019/07/22時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

蝉時雨だまらっしゃいと夕立来 (高澤 良一)

なかなか梅雨が明けないので、インターネットで蝉の声を詠んだ句を探していて見つけました。夏が待ち遠しくとも灼熱地獄は辛いと思っていたら、蝉の声もろとも暑さまで黙らせてくれる夕立を描いた句で、好もしい感じです。