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高度な省エネルギー技術開発に高額支援

2018/01/22

今回はNEDOによる平成30年度「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」をご案内します。前回取り上げた「ものづくり補助金」同様まだ公募前ですが、予告情報には前回までの事業内容が踏襲される部分と変更や新たに追加される部分が明確に示されています。

踏襲されている部分としては基本スキームが<インキュベーション研究開発フェーズ><実用化開発フェーズ><実証開発フェーズ>の3つに分かれ、各フェーズの年間事業総額がそれぞれ2000万円、3億円、10億円である点で、相かわらず高額です。

そして我が国の「省エネルギー技術戦略」において、エネルギー消費部門ごとに定めた「重要技術」に係わる技術開発テーマを、優先的に採択すると明記していること。また複数のフェーズを組み合わせた提案が可能である点もこれまでと同じです。

変わった点は<実用化開発フェーズ>の助成率が前回までの2/3一本だったのが「2/3または1/2」に、<実証開発フェーズ>では同じく1/2が「1/2または1/3」になり、条件(おそらく大企業)によっては助成率が低下することになります。

また追加された点としては、基本スキームに加えてテーマ設定型事業者連携スキームが用意されたことです。こちらは年間事業総額上限5億円、助成率2/3、事業期間最長5年という、これも大型事業となっています。

「テーマ設定型事業者連携」という名前の通り、AからDまでのかなり内容が限定された4つのテーマが設定されていて、複数の事業者が連携する計画であることが条件になっています。

特に4つのテーマについては例えば「物流機能効率化」というテーマに関する「貨物容積の減少に資する技術開発」のように、テーマごとに「具体例」が2,3示されていて、これらに該当しない提案は対象外と言わんばかりです。

そもそもこの事業は、2007年から国が各分野で省エネに貢献する技術の洗い出しをして毎年検討を積み上げてきた結果である「省エネルギー技術戦略 2016」の推進を目的としているため、国として技術開発テーマの優先順位が明確に決まっているのです。

従って誰も考えたことがないような新しい省エネルギーのアイデアをお持ちの方はこの事業への応募は避けた方が良いでしょう。そのような斬新なアイデアについては、今回公募開始が少し遅れている「エネルギー・環境新技術先導プログラム」など、より適した事業への応募をお勧めします。

本記事は2018/01/22時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

熱燗や あしたあしたや 何もかも   (平井 奇散人)

寒くてきつかった一日が終わって熱燗が出されると、気になっていた明日の仕掛り仕事がどうでもよくなる。酒飲みにはよくわかる句です。