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優れた技術シーズをもつベンチャー企業を支援

2018/05/21

今回はアーリーステージのベンチャー企業が対象という意味で少しニッチですが、NEDOによる「研究開発型ベンチャー支援事業/企業間連携スタートアップの事業化支援」を解説します。

「わが国ではベンチャーキャピタル、大企業、インキュベーター等から構築されるベンチャー・エコシステムが未発達」という政府の問題意識から、事業化途上のベンチャー企業に対し、資金提供と併せて民間のベンチャーキャピタルや大企業との協力体制を構築させる形で育成するという構想で、NEDOにより推進されている事業の一つです。

平成26年度から動き出したこの構想についてはこれまで何度かご紹介してきていて、SUI支援、STS支援、SCA支援の3つの柱が出そろった平成28年度の10月号でまとめてご紹介しました。

SUI=Start Up Innovator:起業を目指す起業家候補人
STS=Seed-stage Technology-based Startups:NEDO認定VCと連携した研究開発型ベンチャー
SCA=Startups in Corporate Alliance:事業会社と共同研究を行う研究開発型ベンチャー

詳細はこちら (リンク先:コンサルタントの視点・ベンチャー育成で日本再興)

今回ご紹介するのは3本柱の最後として平成28年度から始まったSCA支援事業ですが、実績を見ると初回の28年度に12社が採択されたものの、29年度はスキップされて今回の公募がまだ2回目です。

平成29年度に公募が無かったが理由は純粋にNEDOの事務手続き上の理由だったようですが、それにしてもこれまでは、平成29年度までの6回の公募で採択者数が54社に上る2本目の柱、STSと比べて手薄い状況でした。

ただし、今回のSCAの公募は「平成30年第1回」とされており、今年度中に2回目の公募が想定されていることが伺えます。平成30年度がSCAの本格稼働開始の年となるのでしょうか?

公開されているSCAの平成28年度の実績を見ると、採択されたベンチャー12社の内、大学発ベンチャーが4社、他がいわゆる独立系で、大手企業から独立したエンジニア集団や仲間内で育てたアイデアから生まれた特許の製品化に向けて創業したベンチャーなどです。
(参照:NEDOウェブページ「新たな企業間連携支援制度で12テーマ始動」)

この顔ぶれは「まあそうでしょう」という印象ですが、実は連携先の企業に驚かされます。例えば日本電気、三井造船、日本電産、ソニー、オリックスなど日本を代表する大企業が並んでいるのです。

かといってみなし大企業不可という応募条件もあり、ベンチャー側が連携先大企業の子会社という訳ではありません。

連携先の中には自社の年間研究開発費が100億円を超えるような企業もあり、7000万円の補助金で事業化をもくろむベンチャー企業と連携するのは不思議な気がします。つまりお金では買えないイノベーションの可能性を、ベンチャー側に認めているのでしょう。

もっとも補助金事業を通して事業化の可能性が見えてきたときは連携相手の大手がベンチャーを丸ごと買収してしまう可能性はあるので、採択されたベンチャーがそのまま存続するとは限りませんし、それを出口と考えているベンチャーも中にはあるかもしれません。

何れにしろ、少なくとも事業化の初期段階で大手企業と対等に渡り合える技術シーズを持つベンチャー企業が日本でも現れ始めたことは確かのようです。「我こそはその一つ」と思われる方はぜひチャレンジしてください。

最後に1本目の柱であるSUIについて一言。

起業家候補個人への資金援助を行うSUIとしての公募は実は平成28年度を最後に行われていません。ただ、平成29年度から始まったNEDO TCP(Technology Commercialization Program)というビジネスプランコンテストとNEP(NEDO Entrepreneurs Program)という事業化支援がその後継事業となるようです。

TCPについてはまもなく公募が始まるようなので、改めてご紹介します。

季節の俳句

揚げ雲雀大空に壁幻想す(小川 軽舟)

ありがたいことに我が家の周りにはまだ少し畠が残っていて、この季節になると揚げ雲雀が見られます。どんどんと高みを目指す雲雀が、特定の高さに達するとしばらくそのままとどまって、ひとしきり特有の囀りを続けた後下降してくる様子は、確かに空天の壁を思わせます。

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