「ものづくり」への特別支援事業 総予算額570億円也!
経済産業省が「ものづくり基盤技術」ということばで定義して日本の技術力の源泉と位置付けている金型技術、切削技術等の20の技術分野があるのですが、これらに該当する製造業者が、高度な技術的研究開発を行う計画を立てて申請し、その計画が認定されれば年間上限1億円の委託事業(100%政府予算)への応募資格が貰えるスキームがあります(「戦略的基盤技術高度化支援事業 」)。
今日お伝えするのはこの事業そのものではなく、景気刺激策としてこの事業に付加された特別予算についてです。
この特別予算の規模は572.6億円と膨大なもので、このうちの541.7億円が上記20分野に該当する製品の「試作品開発及び販路開拓への助成」(助成率は2/3、上限1憶円/年)です。
応募に際して20の基盤技術を使うことだけが条件で、事前の計画認定は必要ありません。
この予算の採択件数は2000件程度とのことなので、平均すれば1件2500万前後となりますが、2000件というのは実に膨大な数字なのです。
通常このクラスの100件から200件程度の応募者から20~30件を選ぶのが一般的なのですが、それでも審査に3か月近くを要します。
今回競争倍率が低く見て3倍としても応募総数6000千件となるので、通常の審査体制では全く追い着きません。
そのためか今回の窓口は、各都道府県に支部を持つ「中小企業団体中央会」という組織が窓口となります。また審査員の数も通常の何十倍も必要となるのではないでしょうか?
締め切りが、第1回目の6月24日とその後の第2回目にわかれており、第2回目の期限が明らかにされていない点から、経産省側でもそのボリュームが見通せていないことが察せられます。
この状況を考えれば、おそそらくそれほど審査になれていない方も審査員として参加されると思われます。つまり評価基準は「提案の内容」であるとしても、そのまえに次の2点でかなりの振り分けがされてしまうと考えられます。
①必要な書類がすべてそろっているか?
②申請書の表現が専門家でなくとも理解できるように、わかりやすく書かれているか?
つまり「事務処理能力」と「文章表現力」がないと、最初の関門が突破できないということです。
逆に、何らかのアイデアをお持ちの製造業の方は、事務能力さえあれば採択の可能性はかなり高いと考えられます。
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季節の俳句
夏みかん酢っぱし 今さら純潔など (鈴木しづ子)
「酢っぱし」の語が肉感的な感覚と爽やかさをともにもたらす不思議な句で、梅雨前の晴間に必ず思い出します。
好きな一句です。
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