橋渡し促進技術開発事業
今回はかなり対象が限定された支援事業です。応募条件を満たす方は少ないかもしれませんが、経済産業省やNEDOの考え方を理解する材料としてご紹介します。≫≫橋渡し促進技術開発事業
実施機関はNEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業総合開発機構)であり、開発費を100%NEDOが負担する『委託事業』です。これは高々2/3の助成が一般的である民間企業の実用化のための事業としては珍しいことです。
年間予算の上限も1億円程度と大型であり、事業期間は3年まで認められます。
年間の事業総額予算が3億円とされているので、採択数は多くても5件程度でしょう。かなりの狭き門です。
対象技術分野はバイオ医療、細胞・組織加工品を中心とした医療分野であり、その開発を行っている「ベンチャー企業」が提案代表者でないと応募できません。
「ベンチャー企業」とは創業20年以下、従業員300人以下と定義されており、さらに『橋渡し機関』という医薬品等の臨床研究が可能な大規模な研究機関(大学病院等)と連携していることが条件です。
このように列記すると、1990年代から経産省や厚労省が推進し、大量に創業された大学発ベンチャーが主要な対象であることがわかります。またその世界に詳しい方はこのようなバイオ系のベンチャーのその後が惨憺たるものであり、死屍累々といた状況であることもご存じでしょう。
即ちこの事業は、臨床への高い壁が越えられず上場等の事業化に至っていない大学発バイオ系ベンチャーの生き残りを、予算の許す限り救いあげることを目的とした事業であると推測されます。
研究開発から事業化を支援する公的支援事業には、このように過去の政策の歴史を思い起こさせるものが多く、なかなか興味深い面があります。
季節の俳句
時鳥 女はものの 文秘めて (長谷川かな女)
男はホトトギスの声を聞くと「春、春!」と喜んで単純ですが、秘めた思いを書き記す女性には、やはりかないません。
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