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グレードアップ!1000万円の知財戦略支援
2013/07/22
今回は東京都知的財産総合センターが、従来の「外国特許出願費用助成」をグレードアップした「平成25年度グローバルニッチトップ助成事業」をご紹介します(都内限定ですいません)。目的はこれまで通り、海外での知財リスクに対応する中小企業の費用負担を軽減させることです。
グレードアップと言っても、これまでとどこが違うのか?以下に並べてみました。
従来事業 | 新設事業 | |
公募回数 | 年度ごとに数回 | 年1回のみ |
助成期間 | 公募時期によって異なり、1年半~2年半程度 | 3年間 |
助成金上限 | 300万円 | 3年間合計で1000万円 |
公募の公表 | 毎回約1ヶ月前 | 3年先まで開示 |
申請資格 | 都内登記の企業 | 都内に登記され、かつ東京都が実施する既存事業で実績のある企業 |
採択予定件数 | 記載なし | 「3社程度」と明記 |
ざっくり言って、期間が長く、金額は大きく、条件が厳しくなっています。
そもそもこの助成金は従来の事業の使い難さ(時期により助成期間が短く使いきれない、エビデンスをそろえる稼働が大変、等)を改善する目的で追加新設されたように見えます。1回の応募で採択されると、年度ごとの清算はあるものの、3年間のどの時期にどの国に特許申請しようとその総額に対して助成金がもらえるのでその点は使いやすくなると思います。
ただ、そのメリットと比較して、条件が大変厳しくなりました。そのプラスマイナスを考えると、実は「都としての支援事業の効率を向上させる」のが本当の目的ではなかろうかという気がします。
というのは、先に挙げたように申請資格が大変厳しくなったため、採択する都が「成果を出すことが確実」と思われる企業を選出しやすくなるからです。具体的には
- 都の何らかの既存事業で採択された実績がある
- しかも知財が国内外いずれかで権利化済である
- さらに「現地法人を有する」、「海外との契約がある」、「海外営業部門がある(または予定している)」等、海外展開のための体制を保有
といったハードルが挙げられており、中小企業と言ってもそれなりの規模を持ち、助成事業等の実施経験がある企業でないと応募そのものが難しく、申請段階でかなり絞り込まれていることがわかります。
但し、これらの条件を満たす企業にとっては競争相手が少なく、採択後されれば使いやすさをエンジョイできるので、今まさに海外展開進行中、という企業の皆様にはビッグチャンスですね。該当する方は是非ご検討ください。
本記事は2013/07/22時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。
季節の俳句
裏富士の 月夜の空を 黄金虫 (飯田 龍太)
龍太が住んでいた山梨県境川は富士山の真北に当たるので、「裏富士」と表現したのでしょう。月の光に黒く浮かぶ富士山と頭上を飛ぶ黄金虫の対比は、なんだかとても“メルヘンな”印象です。
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