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1万社を超える採択数?!中小・ものづくりは補正予算に期待!

2013/12/24

本日で第3回創業支援補助金も締切りとなり、次年度に向けた助成事業も公募開始が年明け以降となるので、今回は経済産業省が今月発表した平成25年度補正予算を眺めてみます。

補正とはいえ総額5,511億円の大型予算です。平成25年度経産省当初予算1兆4,372億円の4割近い額になりますが、そのうちの6割に当たる3,403億円が中小企業対策。またその半分近くの1,400億円がものづくり支援となっています。

前回『期待されていた「ものづくり試作開発」の年内公募は不発に終わり、』と書きましたが、時期はずれこんだもののやはり「ものづくり」はまだまだアベノミクスの成長戦略の柱のようです。

一方平成24年度の補正予算で200億円と今年度中には使い切れないほど予算をとっていた「創業支援補助」は、「創業・ベンチャー支援事業」として51億円、「創業促進補助金」として44億円と、分野を小分けして創業を促す形をとっています。

さらに創業後は「小規模事業者支援パッケージ事業」と名付けた145億円の予算を、地域の商工会等を通して経営計画策定や財務基盤強化のために用意するという方法で、できたての創業者のサポートを計画しているようです。

何しろ8月に行われた平成26年度予算概算請求で、この15年間以上の間常に廃業が開業を上回っている中小企業の現状を打破して、「開業率10%、年間創業数5,000社を目指す」とぶち上げているので、結構本気のようです。

補正予算の目玉はこんなところですが、先にあげた「ものづくり」予算をもう少し細かく見ましょう。

総額1,400億円のこの事業は、タイプが4つに分けられています。ただし4つ目の「新陳代謝型」というのは老朽化した設備の更新をする際に銀行から借り入れた額の1%を補助するという、利息補填的な事業なのでここでは割愛します。

残りの3つはすべて補助率2/3の補助金事業ですが、上限が1,500万円の「成長分野型」、同じく1,000万円の「一般型」の二つは設備投資以外の使い道には共に500万円しか認めないという縛りをつけている点がこれまでの補助金と異なるところです。

従来のものづくりへの補助金は、試作開発や特許取得に重点を置く、というより補助事業が終わった後も継続して生産に使用できるような設備は補助対象としないという、開発優先のものが多かったのです。

しかし平成24年度から通常の生産に用いる設備も対象となるものが現れ、今回の予算ではかえって補助金の50%以上を純粋な設備投資のための資金として提供する形をとっています。

もっとも小規模事業者(製造業の場合は社員20名以下)のみを対象とする「小規模事業者型」では上限700万円全額を開発費に充てることが求められており、設備投資費は対象になっていません。これは恐らく経産省が、経営力が脆弱な小規模事業者に安直に設備投資資金を提供したら、大手の下請けに走る事業者が続出し、値段競争で再びデフレに向かうことを懸念しているためと思われます。

1,400億円という予算は莫大です。仮に全採択企業の平均補助金額を1,000万円と仮定すれば、採択社数は14,000社という膨大な数になります。勿論1回の公募で使い切れる金額ではありませんので、数回に分けて募集が行われると思います。年が明けたら早速第1回公募があるかもしれません。

すでに来年度の設備投資は計画されていると思いますが、この予算も頭の片隅に入れておいてください。

本記事は2013/12/24時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

山国や 年逝く星の充満す (相馬 遷子)

嵐のような忘年会シーズンもやっと一段落し、重くなった胃袋をさすりながらこの句を見れば、大自然の中で行く年来る年を静かに思う年の瀬を迎えたいとの思いが湧いてきます。残念ながらまだまだ残務は片付きませぬ。