超大型助成金への種まきに「1000万円の助成」
補助金や助成金の事業名はどれも長くて閉口しますが、今回取り上げる事業名は、特に長いです。NEDOによる、「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/省エネルギー技術開発事業の重要技術に係る周辺技術・関連課題の検討」
この字数はNEDOの事業でもトップクラスではないでしょうか?もっとも、事業名の前半は、若干の修正はあったものの既に10年近く継続しているNEDOの大型助成事業で、今年も2回の公募が行われ、10月初旬に2回目の採択決定がありました。
「実用化開発フェーズ」で上限3億円、「実証開発フェーズ」で同じく10億円という、NEDOの事業でも最大級の助成事業です。
事業名の後半、「省エネルギー技術開発事業の重要技術に係る周辺技術・関連課題の検討」については、前半の事業に属する1事業であることはもちろんですが、いわゆる「調査事業」です。
「調査事業」については、特殊分野の技術調査等、各専門分野のリサーチ会社や大手コンサルティング会社の専門部隊などが対象となる事業が多いため、ブログではあまり取り上げていませんが、今回は、その内容がかなり独特なのでご紹介します。
※現在、本事業は「予告」段階であるため、今年度第1回募集内容を参考にしています。
上限金額は1000万円、NEDO負担率100%の委託事業で、本体の事業と較べるとかなり小振りですが、一般の調査事業と比較すれば普通の金額です。ただ、募集対象と応募条件が、ちょっと驚くような内容になっています。
まず応募対象ですが、専門性の高いリサーチ会社などではなく、「本プログラムに応募する予定があること、又は現在本プログラムを実施していて、今後審査を経てフェーズアップする予定があること」とされています。
即ち、今後「本プログラムに応募する予定がある企業」のみを対象として、「提案予定の省エネルギー技術分野について、市場調査・技術動向」を事前にしっかり調査するための費用をNEDOが負担するという事業です。
さらに驚くのは、その調査の一部を、外部の調査機関を使って行ってもよいという点です。NEDOが、調査事業で、その調査そのものを第三者への委託を認めるとは前代未聞ではないでしょうか?不思議に思いながら前回の公募要領を読み直しているとヒントがありました。
本事業の「目的」を期した文章に「重要技術の領域が広域で多岐にわたることから、更なる技術シーズの発掘・育成や技術課題の解決を推進するため」との一文があります。
要するに省エネルギーに関する技術分野が広くなりすぎて、提案された「戦略的省エネ技術」を審査するNEDO自身がすでに情報不足に陥っており、それを補うために応募予定の企業自体に、外部調査会社を使ってでも技術動向と課題を事前に調査させようという意図と思われます。
という訳で、来年度の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」への応募を予定されている方はぜひこちらの事業の応募を検討してください。そしてもしあなたご自身がリサーチを業とされているなら、こんな営業トークはいかがでしょうか?
「『戦略的省エネルギー技術革新プログラム』への応募をご検討であれば、NEDOからこのような調査事業が公募されています。もしご興味あれば当社が応募申請をお手伝いします。弊社がいただく調査費用はNEDOが負担してくれますよ。」
季節の俳句
白露に 阿吽の旭 さしにけり (川端 茅舎)
すでに霜降にはいり、過ぎてしまった白露の句で恐縮ですが、ここ数日の冷え込みでやっと本格的な秋の到来を感じるのです。今年は夏が早く終わった割には秋が長く、実は我が家ではまだ風呂上がりに扇風機を使うことがあります。それでもここ数日はようやく朝露の冷えこみを感じ、少々季節おくれの「白露」がしっくりきます。
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