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中小向け事業が登場!省エネ設備導入支援

2017/05/29

今回は一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)の「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」をご紹介します。今年度から「Ⅱ.設備単位の省エネルギー設備導入事業」が追加され、小規模な工事でも応募できるようになりました。

また前回までの事業を踏襲し、工場・事業所全体の省エネを対象としている「Ⅰ.工場・事業所単位の省エネルギー設備導入事業」については、いくつもの申請パターンから最適な内容を選ぶという方式は同じですが、その表現がとても分かりやすくなりました。

申請パターンそのものも整理が行われ、(A)省エネシステム導入、(B)ピーク電量対策、(C)エネルギーマネジメント(エネマネ)の3事業から、(A)、(B)、(C)、(A)+(B)、(B)+(C)、(A)+(C)、(A)+(B)+(C)の7通りのパターンから選んで応募することになります。

実は7通りという数だけ見れば昨年度のパターン数と同じなのですが、各パターンとその応募条件が整理され、その説明もとてもシンプルになりました。それは公募要領のページ数が昨年度の142頁から今回の68頁と半分以下の量になったことでもわかります。

ただしわかりやすくなったと言っても補助金上限額が15億円(即ち総工費30~45億円)の省エネ工事を対象とした事業であり、エネマネを含めた7つの申請パターンから最適な一つを選定するだけでもかなり専門的な知識が要求されます。

つまり応募者の多くは自社の工場・事務所等の消費エネルギーの現状把握と改善設計ができる、専任のエネルギー管理者の配置が可能な規模の企業であり、その中から省エネ効果の高いものを優先して採択されることになります。

従って昨年までは大企業による大規模な省エネ工事が採択されやすい状況でした。実際、昨年の12月に行われた成果発表会の様子を見ても、ほとんどが従業員数百人以上の中堅から大企業の事例が中心でした。
(参照:一般社団法人環境共創イニシアチブWebページより)

しかし、今回追加された「Ⅱ.設備単位の省エネルギー設備導入事業」では、補助金上限が3000万円と、従業員100人以下の中小企業や個人事業主であっても扱える範囲の金額となっています。

何より、従来設備を公募要領に示された「SIIが定めた基準」を満たす設備に取り換えるだけで応募条件を満たすので、特別な専門知識は不要です。省エネ効果も、(従来設備の消費エネルギー)-(交換予定の設備の消費エネルギー)という簡単な計算式で表現します。

そして期待できるのは180億円から234億円という事業総額予算の拡大です。増額された54億円がそのまま上限3000万円の「設備単位」の予算になるかどうかは分かりませんが、これまでと違って、かなりの数の中小企業が採択されることは間違いないでしょう。

「省エネを中小企業まで浸透させる」という経済産業省の方針は、これでかなり具体化されそうです。そろそろ古い設備の更新を考えておられる方は、是非この補助金を有効活用してください。

本記事は2017/05/29時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

玉子焼きヒョイと返せば風薫る (松山 律子)

恥ずかしながら全く作者を知らずに「なるほど、女性はこんなふうに薫風を捉えるのか。」と興味を持った句です。調べてみて驚きました。「律子」は「リッシ」と読み、「松本岩夫と同一人物」とのこと。昭和3年生まれだそうで、計算すると71歳の作。こういう感性を持った翁には憧れます。