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来年度に向けてスタート・研究開発型ベンチャー支援事業

2017/07/24

NEDOが国の方針を受けて研究開発型ベンチャーを支援する事業については、昨年10月の記事で3種類出そろったことをご紹介しました。
簡単に復習すると、

①研究開発型ベンチャーの起業を目指す起業家候補人材(SUI=Start Up Innovator)への支援
②ベンチャーキャピタル等(VC)と連携した研究開発型ベンチャー(STS=Seed-stage Technology-based Startups)への支援
③事業会社と共同研究を行う研究開発型ベンチャー(SCA=Startups in Corporate Alliance)への支援

の3つの事業です。

今回解説するのは、②である「シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援」の今年度2回目の公募です。この事業は現有の特許技術等の事業シーズを武器に出資者をつのり、10年程度で上場や事業売却等のエグジットを考えている起業家向けの事業です。

とはいっても、実はこの記事で初めてこの事業を知った方には、まことに恐縮ですが今回応募するのはかなり難しいと思います。というのは「NEDOが認定したベンチャーキャピタル(以下認定VC)から、補助対象事業総額の1/3以上の出資を受ける」ことが応募条件となっているためです。

具体的には認定VCから「申請日までに出資金が振込まれている」または「申請日までに出資意向確認書を受領し、かつそれが採択決定日から1か月以内に振込まれる」ことが応募の条件であり、後者の場合はNEDOの審査に合格していても振り込みが無ければ採択が取り消されます。

NEDOが認定したといっても出資のための評価を甘くすることはないので、今から認定VCリストの25社にアプローチしても、「出資意向確認書」の発行でも最も早くて2か月はかかると考え、8月21日の締切には間に合わないでしょう。

では今回の2度目の公募は誰のためか?ほぼ間違いなく、5月締切の1回目の公募に応募したものの、出資確認が間に合わなかった人に向けた公募と考えられます。1回目の総額予算が10億円となっていましたが、今回は2億円となっていることから、予算が余ったようです。

また、1件当たりの補助金上限は1回目が7000万円だったのと比べて2回目は2000万円と圧縮されています。この辺りのさじ加減は、1回目の応募申請書の内容を見た結果を反映したのではないかと思います。

そろそろお分かりかと思いますが、今回この事業をご紹介した理由は、この事業に適した環境にいる方に、今回の公募を、この事業の仕組みを知ってくための機会ととらえて頂けば、来年度の公募に向けた準備を進めるために大いに有効ではないかと考えたからです。

併せて、今回ゼロからのスタートという方に、NEDOが準備しているSTS向けの資料をご紹介します。きっと役に立つと思います。

本記事は2017/07/24時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

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俳句だってこんなに自由!という池田澄子の代表作です。とらわれない若々しさを感じますが、調べてみると50歳の頃に発表した句だとか。こちらも負けてはいられません。