中堅・中小企業等イノベーション創出支援プログラムへチャレンジ
前回に続き、今回ご紹介する補助事業も少々異質なプログラムです。「政府が若手経営者を海外に派遣する」という事業で名前は「飛躍 Next Enterprise」。経済産業省の予算でJETROとトーマツベンチャーサポート株式会社が運営する事業です
異質というのは、そもそもこの事業、一昨年4月に安倍総理がシリコンバレーで発表した「シリコンバレーと日本の架け橋プロジェクト」が発端となって、昨年度から始まったトップダウン的な事業である点がひとつ。
そしてもう一つが、支援事業と言いながら政府から参加者宛に支払われる金額は基本的には0円という点です。現地までの旅費と滞在費は本人負担または一部プログラムでは現地政府負担であり、運営側の支援はほぼ現地側での受け入れ態勢のアレンジに限られます。
プログラムの内容は3つのグループで行われる5つのコースで構成されていますが、支援内容における参加者への無料サービスという視点でグループごとに見ていきましょう。
グループ1:現地事業提携・進出模索
派遣先としてシリコンバレーとシンガポールの2つのコースがありますが、どちらも現地への事業進出のための提携先探しや情報収集が目的です。
このグループの参加者が受けられる無料サービスは、現地側の公的機関等が用意している教育コースへの参加や、現地企業との交流会等の場の提供のみ。それ以外の費用は参加者負担で、移動も現地集合・現地解散という内容です。
グループ2: 現地フィードバック獲得
これも欧州(ヘルシンキ・ベルリン)と米国(オースティン)の2つの派遣コースがありますが、こちらの目的は出先で行われる展示会への出展と視察です。このグループのみ唯一日本政府の負担で、展示会でのブース出展や会場への入場バス乗車といった無料サービスが受けられます。
グループ 3: エコシステム体感
参加者をイスラエルに派遣する1コースです。参加者的には唯一現地までの往復旅費と現地でのホテルの宿泊、食事代、ガイド代、視察等の費用がすべて免除されるありがたいコースですが、日本政府が費用を出してくれるわけではありません。
「ヤング・リーダーシップ・プログラム(YLP)」という、イスラエル政府が招待するプログラムに便乗する形です。サイバーセキュリティー技術等の限られた分野で世界のトップを走るイスラエルに興味がある企業は応募すると良いでしょう。
というわけで、政府がほとんどお金を出さない支援制度ですが、昨年度の実績を紹介する「参加者の声」を見ると、プログラムの効果に満足する元気な感想が多数記載されています。参加者の写真をみるとほとんどが元気な若手経営者であることがわかります。
今年の内容ではイスラエル政府が旅費を負担するグループ3以外の4コースについては旅費宿泊費共に自己負担ですが、若さがあれば今やLCC利用による格安航空券や民泊等を利用した宿泊費の節約などでいくらでも安くすることが可能です。
多くの若手経営者がこの事業への参加をきっかけとして海外展開に踏み出すのであれば、日本の産業振興にとって有効かと思います。
季節の俳句
翅わって てんたう虫の飛びいづる (高野 素十)
テントウムシは夏の季語ですが、たまたま目の前に現れたので思い出しました。見つめていたら突然背中の翅がわれるという思わぬ動きは、クローズアップしたスーパーハイビジョンの画面を見ているようですね。
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