業務の効率化と売上げアップを目指そう! ITツール導入補助金
今回は4月20日から公募開始予定の、一般社団法人・サービスデザイン推進協議会による平成29年度補正「サービス等生産性向上IT導入支援事業」を読み込んでみます。総予算額がものづくり補助金1000億円に次ぐ500億円という、経産省の目玉事業のひとつです。
公式ウェブサイトでは公募要領は公開されていて、事業全体の概要がわかるため情報提供量としては既に公募開始と変わらない状況です。また事業名は「IT導入補助金」と大書されていて、こちらが正式名称のような扱いです。
この事業、いわゆる経産省系の補助金とかなり異なる面があります。まず目立つのは事業を委託されたサービスデザイン推進協議会が運営しているホームページがかなりしっかり作りこまれていて、分かり易いこと。
協議会をしらべてみると、代表理事は「世界一受けたい授業」にもよく出演しているユニバーサルデザイン総合研究所所長の赤池学氏であり、IT導入補助金への応募もそれをサポートするITベンダーの登録もすべてインターネット上で手続きできる仕組みが用意されているのはさすがです。
しかしその前に、500億円という総予算にかかわらず、補助金上限が50万円、補助率が1/2と、昨年の上限額100万円、補助率2/3から「改悪」された意味を考えてみます。
単純計算でも500億円を上限額の50万円で割れば補助金支給件数は10万件となります。「ものづくり補助金」の採択数1万件でも一般の補助金と比べて莫大ですが、なんとその10倍です。実際には上限以下の申請もあるので実数はさらに増えます。
ITの導入を支援する目的は生産性の2%向上ですから、10万社を超える中小企業の生産性を2%改善しようという大規模な事業ということになりますが、効果はそれだけではありません。
採択された応募者は、事務局に事前登録されたITベンダーから、これも事前登録されたITツールを購入するので、ITベンダーは一件当たり補助金上限の2倍、100万円の売上を確保することになります。即ちこの事業はITベンダーに1000億円以上の市場を生み出すことになります。
従ってこの補助金はITを導入する10万社超の企業には生産性の向上を促し、IT業界には1000億円の市場を提供するというダイナミックな事業と言えますが、さらに経産省側には次のような思惑が読み取れます。
まず、国内に流通するITツールを補助金対象とするためにはITベンダーが自社と販売するツールを事前に登録する必要があるため、製品の品質確保の名目で市場の情報が掌握できるメリットがあります。すでに昨年5月の時点で4400社を超える登録があったようです。
さらに、この補助金は導入後にその効果を報告する条件が付いているので、掌握したITベンダーとそのツールを実装した際の個別評価が可能となります。これは政府としてかなり高価値の情報ではないかと思います。
という訳で、この事業はITを導入する企業もITツールを提供するベンダーも、お金を出す経産省もwin-win-winとなるアイデアかと思います。近頃評価が下がっているお役人としては久々のヒットかもしれません。
特に導入する企業にとってはITツールの選定から補助金申請、アフターフォローまでITベンダーの支援が受けられるので、使わないと損ではないでしょうか?これを機にぜひITの活用による生産性の向上をご検討ください。
季節の俳句
家々や 菜の花いろの 灯をともし (木下 夕爾)
通勤路は都内の住宅街ながらまだところどころ畠があり、今の季節はよく菜の花を見かけます。「菜の花いろの灯」が見える頃の花の色はすでに夕闇に沈んでいるのですが、夕餉の時間を迎えるこの季節の家いえを菜の花いろと見たのは納得します。
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