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申請かんたん!観光客を呼び込む補助金

2018/10/01

今回はいつもと少し毛色の違う補助金をご紹介します。今年4月2日から10月31日までが公募期間とされていた、国土交通省の「手ぶら観光補助事業」、つまり訪日外国人旅行者が手ぶらで観光できる環境整備を支援する事業です。

事業の目的は、訪日外国人旅行者が鉄道駅等で大きな荷物を持ち運ぶ不便を解消し、地方での消費拡大を図ることであり、事業内容としては外国人旅行者の手荷物の一時預かりまたは配送です。

そして対象となる経費は、手荷物預かりまたは配送する受付と設備の整備、及びそれを多言語で案内するための案内板、インターネットホームページ等に要する費用とされています。

この事業は公募期間中に申請された順に審査していき、予算がなくなったところでおしまいという方式ですが、残り1か月となった本日、12月28日までの延期が公開されました。予算が余っているのでしょう。

また補助金としては少々変わっていて、補助率が1/3と少ないものの、上限額・下限額が示されていないのです。上限がないのは1か所の店舗で発生する費用はたかが知れているということでしょうか?前に公開されていた事例の最高額は260万円でした。

そして補助金応募申請書の内容が、これ以上ないというほどシンプルです。観光地の土産物店であれば住所と責任者名等の基本情報の他に選択肢からやりたいことを選んで丸をつけ、あとは必要な経費を記入するだけなので、おそらく1時間くらいで書けそうです。

また補助金の応募と関連して、「手ぶら観光共通ロゴマーク」というのがあるのですが、その使用については承認をもらう必要があります。こちらの申請も必要事項を記入して提出するだけのもので大変簡単です。

「手ぶら観光共通ロゴマーク」の申請締め切りは平成31年3月31日ですので、補助事業の申請書提出後でも認定申請が可能ですが、まとめて申請したほうが良いでしょう。

この「手ぶら観光補助事業」は国土交通省が派手な宣伝をしていないためか、知らない人が多いかもしれません。でも内容をよく見ると外国人観光客を集めたいお店にとってはとても使いやすい補助金なのです。

例えば、先ほどのお土産屋さんの例では、ホームページの多言語化に50万円、案内標識としてのデジタルサイネージに100万円、手荷物預かりカウンターを設置して60万円と合計210万円使ったとすれば、その内70万円が返ってくるのです。

これでお客さんが増えて店の売り上げが伸び、荷物の預かり賃などの副収入も入るのであればありがたいのではないでしょうか?

もっともこの事業は中小企業向けの補助金という訳ではなく、JR各社や大手民間鉄道、国際空港に一部など、特別に対象外としている機関はあるものの、大企業はもちろん、地方公共団体までが対象になっています。

国土交通省としては、ヤマト運輸やJTB、あるいは地方都市などがこぞって申請してきて、期限前に予算がなくなると考えたのかもしれません。しかしそのような騒ぎにはならず、結局予算が余りそうなので締切期限が延長されることになったようです。

という訳でまだ十分間に合う「手ぶら観光補助事業」です。インバウンドの獲得を考えている方は是非有効に活用してください。

本記事は2018/10/01時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

新蕎麦やその山畑の窓に見ゆ (水原 秋櫻子)

先日久しぶりの家族旅行で北陸方面に行ってきたのですが、途中小諸に立ち寄ってお蕎麦を頂きました。残念ながら新蕎麦ではなかったようですが、お店の窓から外を眺めながら頂いた蕎麦は一段とおいしく感じました。