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サポインは認定計画着手の好機

2018/10/15

今回ご紹介するのは、来年3月に公募される予定の「平成31年度戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」です。少し気が早すぎると言われそうですが、8月の概算要求ではほぼ従来通りの枠が確保されたようで、おそらく例年通り来年3月頃に公募があるでしょう。

それでは、なぜ公募開始が半年も先の事業をご紹介するのか?

第1の理由は、この事業が事前に法律に基づく認定または承認を受けた事業計画(法認定計画)に対する補助事業なので、建前上は補助金申請までに法認定を受けていないと応募できないためです。

その法認定計画とは現在2種類あり、1つ目が「ものづくり高度化法」に基づいて認定された「特定研究開発等計画」、2つ目が「地域未来投資促進法」に基づいて承認された「地域経済牽引事業計画」です。

後者については今年度追加されたもので、国と地方自治体の事業計画に参加するという少々ややこしい形態のため、説明は別の機会に譲り、今回は従来から継続している前者の「特定研究開発等計画」について説明します。


「特定研究開発等計画」は、経済産業省が日本の産業における重要施策として位置付けた12分野の基盤技術の高度化への取り組みをテーマとする研究開発であり、通年で申請を受け付け、年間2、3回行われる審査でまとめて認定を出す仕組みになっています。

そしてその計画の実行を支援する「戦略的基盤技術高度化支援事業」は、企業のブランド価値の強化という意味も含めて、ものづくり企業であればできればチャレンジしたい補助金の一つです。

しかし現実には補助金が公募されてから慌てて認定計画の申請を準備する応募者が多いため、建前通りでは間に合わないのです。そこで認定計画の「申請」が補助金の締切に間に合えば、補助金申請を受け付けるという仕組みを採用しています。

従って認定申請が必要な申請者にとっては法認定と補助金の二つの申請書を用意しなければならないことになります。もちろん補助金申請を受理はしても、同時に出した「特定研究開発等計画」が認定されなければ補助金申請も無効になるという条件つきです。

そして第2の理由が、補助金の応募条件として産学連携が求められるため、大学や公的研究機関との連携体制が必要となるためです。また必須ではないものの資金調達や事務管理を担う「事業管理機関」を外部の専門機関に依頼するといった、体制構築のための取組みが必要となります。

という訳で、補助金の公募が始まってから法認定計画にも着手する場合は時間的にも中々大変ですが、もし間に合ったとしても計画自体のレベルを高めることがどうしても難しくなります。

現に最近採択件数と認定件数の比率は平成28年度で108件/297件(36%)、平成29年度で126件/329件(38%)ですが、分母が法認定計画の数であることを考えれば、なかなか厳しい戦いであることがわかります。

そこで早期着手をお勧めするというわけです。今から法認定の申請を目指しても決して早すぎません。そしてある程度方向性が見えたら早めに所轄の経済産業局に相談に行きましょう。経済産業局はどこもサポインの法認定には熱心です。

本記事は2018/10/15時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

青竹が熟柿のどれにでも届く (飯田 龍太)

実った柿を青竹で取ろうとして、「どの柿でも届くぞ」と考えている。小さなことながら、選び放題の自由と満足感が伝わります。書かれていませんが見上げている空は青空でしょう。その下の柿の赤と竹の緑は秋の色そのものです。