観光客向けイベントを支援
今回は、中小企業庁が推進する「クールジャパン」政策の一つである「地域文化資源活用空間創出事業(商店街支援事業)」をご紹介します。海外旅行者の国内での消費(インバウンド)拡大による商店街の活性化を支援する事業です。
その手段として、歴史的建造物(城、街並み、神社、寺院、庭園等)や、名所・観光地・食文化等の地域文化資源と連携した空間創出によってにぎわいを創出し、外国人観光客等を商店街に呼び寄せるイベントを支援します。
この事業の予算枠は平成29年度補正であり、今回の公募は今年度3回目です。タイトルに「空間創出」との言葉が含まれているのは、例えば古民家をゲストハウスに利用するための改築費なども「空間整備事業」として支援対象とすることを意味しています。
そのため1回目と2回目の公募では補助金上限額7500万円の「空間整備事業」と、インバウンドの獲得を目的としたイベントだけを支援する上限300万円の「交流促進事業」の2本立てだったのですが、3回目の今回は上限300万円の「交流促進事業」だけが対象となっています。
恐らく年間総予算が少し余り、事業期間が終了する年度末までの残り期間が少ないこともあって、短期間で準備できて設備工事費等の発生しない、イベントだけを支援する事業として、第3回公募を行うことになったのでしょう。
とは言っても、まったく何も準備していないイベントを計画段階から検討するだけの時間的余裕はありません。
何より補助率が1/2なので、事業費の半額を、最終的に誰が負担するのか?という、商店街支援事業で常に発生する問題があります。これについては連携する民間企業の参画や地方自治体からの支援などそれなりに時間をかけた計画が必要です。
という訳でこの事業は、「300万円の補助金がもらえるなら何かインバウンドの拡大を目的としたイベントを考えよう」という発想で応募することはお勧めしません。
予算措置を含めて、既に今年度中に商店街等で予定されている行事等の計画を軸にしてこの事業への応募を検討してください。その場合、資金調達の手段も確保されているはずなので、補助金を来年度以降の余剰金と考えるくらいでちょうど良いでしょう。
ただしその行事が恒例の既存イベントそのままである場合は対象外となってしまうので、外国人観光客を呼び寄せるための、たとえばプロジェクションマッピングを使ったイベントやSNSを使った海外向けキャンペーン等の新たな取組を工夫しましょう。
季節の俳句
ふはふはのふくろうの子のふかれをり (小澤 實)
いかにもかわいらしい句です。巣の中で風に産毛を揺らしている子ふくろうが目に浮かびますが、もちろん上五は「ふわふわの」と読むのでしょう。ところが掲句を初めて目にした時は「ふはふは」と読んでしまいました。最近はやりの「もふもふ」の影響でしょうか?
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