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ベンチャーの事業化を後押し

2019/04/01

研究開発ベンチャーの育成を目的とした2019年度「研究開発型ベンチャー支援事業/NEDO Entrepreneurs Program(NEP)」の公募が始まっています。事業名にある通りNEDOの事業です。

この公募は、年間を通じて行われる一連の「研究開発型ベンチャー支援事業」の一つで、2019年度についてはすでにそのシリーズで皮切りに、STS第1回公募(1月25日~2月25日)が行われました。NEPはその2番手ということになります。

「研究開発型ベンチャー支援事業」とは、「ベンチャーが自然発生的に連続して生み出される」仕組みである「ベンチャーエコシステム」の構築を目的として、平成26年6月に閣議決定された「日本再興戦略」による基本計画に基づいて始まった一連の事業です。

この基本計画は平成28年6月の閣議決定による「日本再興戦略2016」でアップデートされました。この間、各事業の微修正や新たな事業の追加・入替えが行われ、現在にいたっています。

そして現在NEDO予算で行われている「研究開発型ベンチャー支援事業」は公募中のNEPに他の4事業を加えた5本柱になっています。

  • TCP=Technology Commercialization Program:起業家候補人材の発掘のための研修とビジネスプランコンテストを通じた育成支援
  • NEP=NEDO Entrepreneurs Program:起業家候補人材を公募により採択し、そのビジネスプランの構築等の事業化可能性を支援
  • STS=Seed-stage Technology-based Startups:研究開発型ベンチャーを支援する「VC(ベンチャーキャピタル)等」の認定と、そのVC等が出資するベンチャーへの事業化支援
  • CRI=Collaboration with Research Institute:橋渡し研究機関と共同研究等を行う研究開発型ベンチャーへの事業化支援(本事業のみ2019年度から新規に追加されます)
  • SCA=Startups in Corporate Alliance:既存事業会社と共同研究を行う研究開発型ベンチャーへの事業化支援
このように並べると、TCPとNEPについては起業家候補の発掘と育成、STS、CRIとSCAについてはVCからの出資や橋渡し研究機関、事業会社との連携を伴って起業した研究開発ベンチャーへの支援という図式として「ベンチャーエコシステム」が見えてきます。

なお、これらの詳細についてはNEDOのホームページに、図解入りで解説されているので詳しくはこちらをご覧ください。

ご参考:NEDO「研究開発型ベンチャー支援事業」

今回は上記の事業がどのようなスケジュールで展開されるのかを、昨年度の実績をもとに推測します。なお、CRIについては2019年度新規のため昨年度の実績はありません。

2018年度事業の公募の実績

※起業家候補の発掘と育成
 NEP 4月24日~5月24日
 TCP 6月8日~9月14日
※VCの出資を受けたベンチャーの支援
 STS 第1回:3月19日~5月7日 第2回:7月12日~8月31日
※事業会社と連携したベンチャーへの支援
 SCA 第1回:5月15日~6月28日 第2回:10月18日~11月22日

2019年度については前述の通りSTSの第1回公募が2月25日に完了し、現在NEPが4月25日締切りで公募中であることから、2018年度を約一月前倒ししたスケジュールで進行しています。

昨年同様、STSの第2回公募が行われるとすれば、CRIについても近いうちに公募内容が明らかになると思われるので、これからでもすべてのメニューが選択可能です。

我こそは技術開発ベンチャー、またはその予備軍と認識されている方は、以上のスケジュールを踏まえて2019年度のNEDO事業をしっかり活用してください。

本記事は2019/04/01時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

ぶらんこや桜の花をまちながら (小林 一茶)

花を待つ気分がよく伝わる句ですが、ぶらんこと桜が季重なりなのは明白です。もし初めてこの句を詠んだのが私だとしたら「初心者の単純なミス」と先生に一蹴されそうです。でも実はぶらんこが何故春なのかよくわかりません。夏でも秋でも良い気がします。一茶先生もそう思ったのではないかと妄想しています。