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新型コロナ対策の特別枠-ものづくり補助金

2020/04/20

緊急事態宣言が日本全国に拡大され、新型コロナウイルス感染症の患者数の増加による医療崩壊と併せて経済活動への深刻なダメージが心配されています。弊社は中小企業向けの支援策についてどこよりも分かり易い形での情報提供を目指して努力します。

さて、企業向けの支援でいま最も注目されているのは、中小企業は200万円、個人事業主は100万円を支給するという「持続化給付金」かと思いますが、これは申請に必要な手続きが公開される時期が4月最終週とのことで、情報を入手出来次第解説します。

次に注目されているのは緊急事態宣言を受けて休業する際、従業員の雇用を維持するための休業補償である「雇用調整助成金」の緊急対応かと思いますが、この申請を代行できるのは社会保険労務士のみなので、弊社がご提供できるのは周辺の情報のみとなります。
厚生労働省の最新情報はこちらです。

一方、新型コロナウイルス感染症への対策を行う事業者への加点評価が行われる「ものづくり補助金」について、5月20日の第2次締切に併せて新型コロナウイルス感染症への対策に特化した「特別枠」を追加する内容で公募要領が改定されました(4月10日付)。

そこで今回は「ものづくり補助金」について「特別枠」の内容をご紹介します。

「通常枠」については、スケジュールを除けばすでにお知らせした内容と変わっていないので、詳細はこちらのページをご覧ください。

まず「通常枠」と「特別枠」の違いを簡単に整理します。

  1. 事業計画の内容
    「通常枠」は経営革新のための設備投資他の経費。「特別枠」は経費の1/6以上が感染症への対策である次の3つの目的のどれかに該当すること。
    A.サプライチェーンの毀損等への対応
    B.非対面型ビジネスモデルへの転換
    C.テレワーク環境の整備
  2. 補助率
    「通常枠」は小規模事業者のみ2/3、他は1/2。「特別枠」は全て2/3
  3. 優先採択
    「特別枠」で不採択となっても「通常枠」で加点評価し再審査
  4. その他メリット
    「特別枠」で採択された場合、以下の優遇有り
    • 5月7日までの「事前着手の承認申請」が承認されれば、採択後の交付決定以前の事前発注が可能
    • 広告宣伝・販売促進費が補助金対象となる(「通常枠」では対象外)
    • 申請要件である「事業年度から3年間の付加価値向上・賃上げの達成目標」を初年度猶予し、翌年度からの3年間にスライド
「特別枠」の内容は概ね以上ですが、一番わかり難いのは「特別枠」としての要件である“3つの目的”かもしれません。わかり難い理由は使われている「官製用語」のためでしょうか?

そこで、弊社流に“3つの目的”のポイントとその事例を考えてみました。「特別枠」であると主張するためのポイントは、
  • 設備投資の目的の中で感染症対策に該当するものを考える
  • 販売促進費も対象となる
  • 補助対象経費の1/6以上の投資であれば良い
といったところでしょうか?

次に目的別に事例を考えました。
A.サプライチェーンの毀損等への対応
これまで外注していた加工部品を内製化するための設備投資を行うことで、感染症等による外注部品の供給不安を解消する。
B.非対面型ビジネスモデルへの転換
B to Bの訪問営業が中心だった営業を、ウェブページの充実とビデオ会議システムの導入によりリモートでも営業が可能となるシステムを構築する費用を含めた事業計画とする。
C.テレワーク環境の整備
社内のサーバーのセキュリティーを強化して社員が自宅からアクセスできる環境を整備する費用を含めた計画とする。

以上の視点から、第2次締切に応募予定の方は、現在の事業計画を少ない負担で「特別枠」に該当するプランに変更できないか、検討してみてください。

本記事は2020/04/20時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

まっすぐに 草立ち上がる 穀雨かな (岬 雪夫)

「まっすぐに立ち上がる草」が感染症に打ち勝ったの後の人々の再起を連想しました。俳句をどのように解釈するかは読む側の勝手といわれますが、まさかこんなイメージと結びつくとは作者は夢にも思わなかったことでしょう。