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政府による新型コロナ対策支援

2020/04/06

通常は競争型補助金を中心に解説をお送りしていますが、新型コロナの影響で事業に大きなダメージを受けている方が多数いらっしゃると想定し、今回は政府の企業向け緊急対策の特集をお送りします。

最近は政府の意向を受けて経済産業省や厚生労働省他が新型コロナ対策を次々と発表するため、ほとんど毎日といっていいほど情報が上書きされており、これが公的支援の内容をわかり難くしているようです。

さらに明日にも個人または世帯向けの現金支給を中心とした大型の補正予算による助成事業が国会で審議されるため、さらに全貌が分かり難くなる可能性があります。

そこで弊社としては現状を分かり易く整理して皆様の理解をお手伝いすることも重要と思い、4月2日10時時点の経済産業省発行のパンフレットに基づいて、企業経営に即効性のある支援策から3つのタイプを選んでご紹介します。

1つ目は事前申請が前提の補助金・助成金としては珍しく、事後申請が認められる雇用維持のための支援です。これは厚生労働省から2種類の支援(強化)施策が行われています。

まずは従来からある「雇用調整助成金」を強化した特例措置として、4月1日から6月30日までの間で、雇用の維持を図るために労働者を休業させて休業手当を支払った場合、その費用を、最大9/10(解雇を行わない中小企業の場合)まで保証します。

通常は補助金申請には労働局又はハローワーク宛に雇用調整計画の事前届出が必要ですが、今回に限り6月30日までは事後の計画届提出が認められます。しかも通常は必ず必要な「雇用保険被保険者」という枠を外したので、被保険者でなくとも対象となります。

休業した労働者への支援を目的としつつも、少し性格が異なるのが「小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援」です。

こちらは企業側の事情ではなく子育て中という労働者側の事情による休業でも、特別有給休暇として給与を支払った場合、その企業の負担を上限8,330円/日まで政府が負担します。これもまた2月27日から6月30日までの期間が対象となる予定で、事後申請が可能です。

2つ目は資金繰りが困難となった企業に対する緊急融資です。政府の案内を見ると「セーフティネット保障4号・5号」とか「危機関連保証」とか複雑そうですが、ざっくりまとめると以下の通りです。

「新型コロナウイルスの影響で業績が悪化した企業に対して、業種にこだわらず一般保証枠(2.8億円)とは別に、上限信用保証枠5.6億円まで、0.5%以下の利子で融資を行う。」

ということで資金繰りに困っている方はすぐに政府の金融相談窓口や取引がある金融機関に相談してください。

3つ目は入金時期が少し先になりますが、新型コロナへの対策を行う事業者に対して加点評価を行う補助金です。現在経済産業省から対処となる事業として公開されているのは「ものづくり補助金」、「小規模事業者持続化補助金」、「IT導入補助金」の3事業です。

「ものづくり補助金」はすでに前回ご紹介しましたが、他の2つの事業も同様に通年事業であり、年間合計4回の締切が設けられます。第1回目が3月31日で、現在公募中の第2回目、5月20日締切分を含め残り3回ですが、締切時期に関わらず事業期間が最長で10ヵ月間確保されています。

従って、従来のように後になるほど時間が無くなる心配はありませんが、さすがに補助金なので事後申請という訳にはいかず、補助金の支払いは事業が完了した後になります。申請については各事業の公募要領を参照願います。

以上、政府による企業支援を、「事後申請でも保障対象となる手当」「申請後の条件審査で直ちに行われる融資」「事業計画が採択され、事業が完了した後補填される補助金」に分けてご案内しました。自社の状況に合わせて最適な支援策を活用してください。

本記事は2020/04/06時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

春休み 子らの大地の 賑わいに (川畑 火川)

今年に限って、春休みの子らが集う公園などの景色が「コロナ疲れ」の憂さ晴らしという心象を与えます。一日も早く「大地の賑わい」を愛でる日が帰ってくることを祈ります。