長期的な脱炭素イノベーション支援
今回は環境省予算の補助金をご紹介します。一般社団法人地域循環共生社会連携協会による「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」です。文字数が多すぎて大変ですが、これは環境省の特長です。
今回公募の事業は、同補助金のうち「脱炭素イノベーションによる地域循環共生圏構築事業」となります(こちらも字数が多いです)。経済産業省ではNEDOが2050年カーボンニュートラルに向けいくつかのプログラムを動かしていますが、こちらはその環境省版と考えて良いでしょう。
今年度が第1回の公募なのですが、公募要領には2050年までを横軸とし、「脱炭素イノベーション」を次々と積み上げていく中長期的イメージが描かれて、最後の10年は「先導的モデル都市を参考に全国展開を図る期間」とするなどなかなか雄大な計画です。
本事業はその第1フェーズとの位置付けです。温泉熱利用とそれ以外の再生可能エネルギー(以降「再生エネ」と表示)の2つに区分され、温泉熱利用の事業がさらに利活用と効率向上の2つに分けられ、合計3つの事業で構成されています。
例によってどれも名称が大変長いのですが、3事業には略称が付けられているので、ここで一挙に正式名称を列記し、以降は略称で記載します。
1.地域の自立・分散型エネルギーシステム構築支援事業
(1)地域の再エネ自給率向上やレジリエンス強化を図る自立・分散型地域エネルギーシステム構築支援事業(略称:自立・分散エネ)
2.温泉熱等利活用による経済好循環・地域活性化促進事業
(1)温泉熱等利活用による経済好循環・地域活性化促進事業(略称:温泉熱等利活用)
(2)温泉供給設備高効率化改修による省CO2 促進事業(略称:高効率化改修)
事業名の紹介で紙面を取られ、残念ながら3つの事業内容を詳細に解説する余裕がなくなってしまいましたが、この事業をご紹介したい理由は2つあります。
その1つはこの事業が環境省主幹の「中央環境審議会」による「地域循環共生圏」という提言に基づいて、本事業では“地域”内での再エネの“循環”を目的としているという点です。
“地域”については「自立・分散エネ」事業ではメンバーの1者に自治体を含むという条件が付けられており、また「温泉熱等利活用」「高効率化改修」の両事業はエネルギー源が地熱に限られているので、どちらも比較的狭い地域での事業計画が想定されます。
また再エネの“循環”とは、言い換えれば再エネの地産地消となります。このことは補助対象となる再エネ設備から、電力会社に売電できるFIT(固定価格買取制度)認定設備が除外されていることからも確認できます。
理由の2つ目は再エネの熱源機器に関する技術革新が目的ではないということです。太陽光パネルなどの補助対象設備は、JIS規格品や経済産業省認定品など、品質が保証された既製品であることが条件とされており、あえて言えば「ローテク」な設備が対象です。
即ち、各々の設備の技術革新ではなく、既存製品を組み合わせて地域から得られる再エネを地域内に“循環”させるサイクルを構築し、それを普及させることにより、CO2の発生を抑制させようとの考え方です。
当然ながら、このようなサイクルが構築され維持されるためには、補助事業期間後も事業として成立する必要があるので、本事業が思惑通りに進めば国内に大きな市場が産み出される可能性があります。
初めにお伝えした通り、この事業は2050年を目標として次々と「脱炭素イノベーション」を積み上げていく長期構想の中の第1フェーズなので、今回慌てて応募する必要はないかもしれません。
例えば、電気機器や熱交換設備などを製造されている企業は数多くおられると思います。今は自治体とのコネクションや温泉設備の経験がなくとも、今回の公募で採択される企業や自治体などの成果をウォッチしていただければ、新たな市場が見つかるかもしれません。
季節の俳句
花の如き口を開けたり燕の子 (青木 月斗)
この季節、出先でも自宅の周りでも意外と燕を見かけることが多く、先日も買い物の途中通りかかったお宅の玄関先から燕が飛びだして驚きました。おそらく玄関先の小屋根の内側にでも巣を作ったのでしょう。餌やりの場面を想像すれば、「花の如き」は言い得て妙です。
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