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環境省、創業前の個人や創業15年までのスタートアップを支援

2022/06/20

2050カーボンニュートラルについては、経済産業省と同じく関係が深い環境省でも関連する補助金が動いていますが、環境省としては珍しく「スターアップ」を冠した補助金の公募が6月16日から始まったのでご紹介します。

執行団体は今年1月の環境省の公募で採択された一般社団法人静岡県環境資源協会(略称SERA)です。この事業が始まった昨年度に引き続いての執行団体となります。事業名は下記の通りですが、経済産業省の事業に負けない長さです。

令和4年度 環境保全研究費補助金(イノベーション創出のための環境スタートアップ研究開発支援事業)

環境省の事業でスタートアップを対象とする補助金は初めてではないでしょうか?ただし、公募要領をよく見ると、その定義が「概ね15年以内に創業した中小企業」とされていて、経済産業省の「スタートアップ」の概念とは少々違っているようです。

スタートアップとして創業した企業が15年間経営を続けた場合、果たしてスタートアップと言えるのか少々疑問ですが、そこにこだわらなければ該当する中小企業にとっては競争率が低く有利ということになります。これはこの補助金の一つの特徴と言えるでしょう。

また今回から、採択された企業は令和5年2月に予定されている成果発表会への参加が必須という条件が付けられたようです。昨年度は必須条件とはされていなかったためか発表会が行われたという情報は見つかりませんでした。

以上の通り、通常の補助金ではあまり見慣れない条件が設けられた補助金ですが、以下はよく見かける一般的な条件です。

まず対象となる事業について。フェーズ1とフェーズ2に分かれていて、フェーズ1は流行のF/S:Fusibility Study及びPoC:Proof of Concept、即ち事業採算性や概念実証等の調査への支援です。

フェーズ1は補助金上限額が400万円で定額(全額SERA負担)とされており、またこの事業でいう「スタートアップ」に加えて、研究開発成果の事業化を目指す創業前の個人が、補助対象として含まれます

一方、フェーズ2はR/D:Research & Development、即ち研究開発支援であり、創業後の「スタートアップ」のみが対象の事業です。補助金上限額が4,500万円・補助率2/3という、研究開発事業としてはかなり大型の補助金となっています。

どちらも原則としては期限が令和5年2月までとされていますが、採択結果が出るのは8月とのことなので「原則」では事業期間が半年しか無く、特にフェーズ2ではこの期間に補助事業を完了させるのは至難の業でしょう。

そのためでしょうか、事業期間は必要であれば更にもう1年度、すなわち令和6年3月まで延長できるとされています。フェーズ2の事業総額の上限は6,750万円ですから、少なくともこの程度の期間は必要でしょう。

事業期間を延長するのであれば、その条件として「(年度ごとに)事業経費を明確に区分した経費内訳書及び実施計画書」であることが示されていますので、申請書の作成に当たってはご留意ください。

次に研究開発課題については、【気候変動領域】、【資源循環領域】、【自然環境保全領域】の3つに限定されています。公募要領にはこれら各々の領域を選定した背景と研究開発事業例が相当の字数を使って記載されています。

関連するキーワードもそこそこ含まれていますので、申請書作成についてはこれらの文言をよく吟味し、事業計画の文章を練り上げてください。

最後に、申請書の提出方法についてのご注意です。執行団体が静岡県の一般社団法人であることによると思いますが、申請書の提出方法が「電子メールでの提出」とされています。即ち申請書類は電子ファイルをメールに添付しての提出となります。

これ自体は問題ないのですが、注意すべきは公募要領にデータ量の制限が示されていないことです。PDF化した必要書類や画像が多い事業計画書など、締切間際にデータ量オーバーが判明するなどのトラブルがないよう、事前にSERAに確認することをお勧めします。

本記事は2022/06/20時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

雨脚のいきなり見えて立葵(上田 操)

真夏になれば立葵は自宅周りでも通勤路でもよく見かけますが、強い日差しにも、この句のように急な夕立にもよく似合う不思議な花です。

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