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2種のディープテック・スタートアップ支援
2025/02/05
コンサルタントの淡河です。NEDOによる2種の「ディープテック・スタートアップ」に対する支援事業の公募が始まっています。
いずれも正式な事業名があまりに長いので紹介するのがはばかられるのですが、一度だけ示すと、ひとつめは
「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業」
となります。ここでは略してDTSU事業とします。
一方のGXが頭につくもう一つの分野の正式名称は、
「GX分野のディープテック・スタートアップに対する実用化研究開発・量産化実証支援事業」。
こちらはGX事業と記載します。
DTSU事業とGX事業の公募要領は1冊にまとめられています。つまり、共通する部分が多いということです。
弊社では両者を別々のページで紹介していますが、間違い探しゲームのようにほぼ同じ内容となってしまいました。それほどまでに共通点が多いということですね。
DTSU事業とGX事業の違いは、もちろん後者がGX関連分野を対象としているということです。では具体的には何が違うのか。調べてみると少し面白いことがわかりました。
その話題に入るために、先に簡単に共通点を説明します。詳細は各補助金のページを参照してください(参照:DTSU事業、GX事業)。
2種のディープテック・スタートアップの共通点
- 3つのフェーズから適切なものを選んで応募
- STSフェーズ(Seed-stage Technology-based Startups):実用化研究開発(前期)
技術シーズを有し、研究開発やプロトタイプの作製及び市場調査を開始
- PCAフェーズ(Product Commercialization Alliance):実用化研究開発(後期)
製品やサービスの研究・開発が一定程度進展し、収益化を目指す段階
- DMPフェーズ(Demonstration development for Mass Production):量産化実証
ビジネスモデル等の構築を通じた大きな収益化を目指す段階
- STSフェーズ(Seed-stage Technology-based Startups):実用化研究開発(前期)
- ステージゲート審査
応募時にSTSまたはPCAを選択した場合、事業完了時のステージゲート審査をパスすれば、PCAやDMPに移行できる。この場合、全期間で最大6年間まで継続支援が受けられる。
2種のディープテック・スタートアップの「違い」
さて、ここからはDTSU事業とGX事業の違いについて。まずDTSU事業のSTSまたはPCAで応募する場合、VC等からの資金調達が必須条件となっています。一方GX事業の場合は必須ではなく、「審査において評価」する、とされています。
もう一つの違いはもちろん対象技術分野です。DTSU事業は対象とする技術分野は公募要領に明記されています。
量子、AI、ロボティクス、半導体、電子機器、エネルギー・環境、バイオテクノロジー、新素材、医療機器、航空宇宙等の鉱工業技術(原子力は除く)
ここで面白いのはGX事業です。公募要項には、確かに「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略を踏まえ」という文章による説明はあります。ですが、DTSU事業のような明確なリストはありません。その他基本計画書などの資料を検索してもGX分野を示すリストがないのです。
「GX分野」とは?

それでは、と改めて検索対象を経済産業省に変えて同じ質問をしたところ、こちらは出てきました。「分野別投資戦略」に示された16項目です。
鉄鋼、化学、紙パルプ、セメント、自動車、蓄電池、航空機、持続可能な航空燃料(SAF)、
船舶、くらし、資源循環、半導体、水素等、次世代再生可能エネルギー(ペロブスカイト太陽電池、浮体式洋上風力、次世代型地熱)、原子力、二酸化炭素回収・貯留(CCS)
NEDOの事業では原子力は対象外ですが、単語だけみるとDTSU事業でも重複するものや、「くらし」など直接GXに関連するとは思えないものもあります。
ただし、これらの単語が示す内容については経済産業省のニュースリリースに詳細な解説が用意されています(参照:経済産業省2024年12月27日付ニュースリリース GX実現に向けた投資促進策を具体化する「分野別投資戦略」を改定しました)。
なぜ、NEDOの関連サイト内ではGX分野でDTSU事業のような具体的定義が示されていないのかは謎です。
ですが、GX事業に応募で迷ったときは、上記サイトで確認しましょう。該当する分野があった場合はその根拠として同ページに掲載の資料を示されると良いでしょう。
本記事は2025/02/05時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。
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