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「事業再構築補助金」、ラストチャンス

2025/01/21

第13回 事業再構築補助金コンサルタントの淡河です。不思議なことに第13回事業再構築補助金の公募が始まりました。

というのは、令和6年7月締切の第12回公募を最後に事業再構築補助金は終了したと考えざるを得ない情報が、経済産業省から数多く発信されていたためです。

終わっていた「はず」の事業再構築補助金

そもそもこの補助金は、2020年のコロナ禍による国内産業の低迷を防ぐために創設された事業のひとつ。大判振る舞いで名の高い、新型コロナウイルス感染症対策補正予算の受け口となって、空前絶後の規模で始まりました。
  • 令和2年度第3次補正予算(令和3年実施):1兆1,485億円
そして2021年度以降も、初年度程でないとはいえ、コロナ禍前では考えられない規模の予算措置が続きました。
  • 令和3年度補正予算(令和4年実施):6,123億円
  • 令和4年度補正予算(令和5年実施):5,800億円
コロナ予算としての事業再構築補助金ご記憶の通り、令和5年5月には新型コロナウイルス感染症が5類感染症に変更されました。そして、同年秋の行政事業レビューでは、「新型コロナ対策としての役割終了」との評価を受けました。

この評価により予算の源である基金の廃止または抜本的な見直しをすることになりました。しかし、結局、令和6年4月に第12回公募として再開。

ただし、中小企業庁が公開した令和5年秋の行政事業レビューの内容は「第12回が最後」との印象を与えるものでした。

さらに、経済産業省が公開した令和5年度補正予算(令和6年実施)に関する資料がこの印象を後押しします。すなわち、「事業再構築補助金」が再編されて「中小企業省力化投資補助金」(予算1000億円)となったことが明記されていたのです。

そして、ついに令和6年度補正予算(令和7年実施)の補助金関連資料からは、「事業再構築補助金」が姿を消しました。

第13回公募 今度こそ最終回


以上の経緯にも関わらず、今回、第13回の公募開始との公表が行われました。第12回と第13回の公募要領で実施枠の違いを見ても、大幅な縮小なども見られません。

細かく見れば、第12回では設けられていた2つの【コロナ回復加速化枠】のうち、「通常類型」が無くなって「最低賃金類型」のみが残った程度の違いです。

ともあれ本事業の継続の可否が気になりますが、予算の出どころがわからないと判断できません。一体どこから予算を持ってきたのでしょう?

一つの可能性として考えられるのは「中小企業等事業再構築促進基金」。令和3年度に造成され、複数年度に渡って利用できるこの予算の一部が残っていたのかもしれません。

いずれにしても、公募サイトにあるとおり1.5億円にも上るこの高額補助金は今回が最後です。「事業再構築」という趣旨に合う事業計画をお持ちの方は是非チャレンジしてください。

本記事は2025/01/21時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

竹が竹打つ音を聴く寒九かな (鈴木 太郎)

「俳句は情景が目に浮かぶように」とはよく言われますが、掲句は情景ではなく「カーン」という音が聞こえる句で、身が引き締まります。なお寒九とは寒に入って九日目のこと。