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公募中のGo-Tech事業、申請書作成の要点・注意点
2025/03/07
コンサルタントの南郷です。令和7年度の「成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)」が公募中です。例年通り、今回も1回限りの公募となる見込みで、締切は、4月18日(金)。
さて、この事業は、上限額が大きく魅力的なのですが、戦略的な準備が欠かせません。
今回は、当社の産学連携支援の経験から、申請における重要ポイントを整理します。
Go-Tech事業、申請枠の戦略的選択~通常枠と出資獲得枠
本事業には大学等の研究機関との連携が必須の「通常枠」と、ファンド等の参画が必要な「出資獲得枠」があります。重要ポイント
これら2種のうち、出資獲得枠の採択数は通常枠に比べると圧倒的に少数。今回の採択予定数は後者100件に対して4件です。これにはしかけがあって、出資獲得枠で不採択の場合、そのまま再審査も可能なのです。
そのため、出資獲得枠で申請の場合も、リスクヘッジとして通常枠での計画も同時に準備することをおすすめします。
<貴社のプロジェクトはどちらに適合? >
通常枠 | 出資獲得枠 | |
---|---|---|
内容 ≫ | 研究機関との連携による技術開発 | ファンドからの投資を予定して行う技術開発 |
規模 ≫ | 比較的小規模 | 大規模な資金調達が必要 |
期間 ≫ | 中長期的 | 早期市場参入を目指す |
性質 ≫ | 産学連携による技術的シナジー重視 | 投資家からの経営サポートも含めた成長戦略を構築 |
効果的な共同体構築戦略
本事業は、中小企業を含む共同体で事業を進めます。その基本は、事務局窓口となる事業管理機関、研究開発の主軸となる研究等実施機関と専門家からなるアドバイザーの3者で構成されます。重要ポイント

なお、本事業では、大学・公的研究機関等をA機関、技術移転機関・第三セクター等をB機関と分類しています。これらいずれかが事業管理機関の場合、300万円(出資獲得枠は600万円)まで定額補助となります。この優位性も注目すべき点です。
中小企業要件の確実な達成戦略
本事業では、中小企業者等の補助金が全体の2/3以上であることが必須。これは申請時のみならず、各年度の実績報告時や事業完了時まで続く要件です。そのため、計画変更のリスク管理も事前に検討しておきましょう。
重要ポイント
- 人的リソース配分の最適化:中小企業の人件費比率を戦略的に設定
- 設備投資の戦略的配置:中小企業が主体的に使用する設備計画を明確化
- 年度間資金配分の調整:初年度は中小企業への配分を重点化し、後年度で調整
- エビデンス管理体制の構築:設備使用状況の記録・管理体制を事前に整備
Go-Tech事業における申請書作成戦略
申請書作成の際には、差別化のために効果的な手法を用いましょう。例えば、図表やグラフを活用すると、視覚的説得力が向上します。また、信頼性の高い情報や、具体性など、事業の実現可能性の証明することも重要です。重要ポイント
以下の3点を示すことが必須です。- 中小企業の特定ものづくり基盤技術及びサービスの高度化等に関する指針(以降、「高度化指針」)との明確な整合性
- 技術・事業化目標の定量的設定と根拠
- 研究開発から事業化までの一貫したロードマップ
審査基準における重要ポイント
本事業において、事業終了後1年以内のサンプル出荷計画は必須。事業化までの具体的なロードマップが評価のポイントです。その基本となるのが、公募要領の別表2の審査基準。本事業の採択に向けては、これらの基準を理解し、申請書で提示しなくてはいけません。重要ポイント
審査基準は全部で10項目ありますが、中でも主要な審査基準は以下の5項目です。実際に、過去の採択例でもこれらの審査基準が重視されていることが見受けられます。- 技術的新規性・革新性(既存技術との明確な差別化)
- 事業化の実現可能性(具体的な市場投入計画)
- 政策目的との整合性(高度化指針への適合度)
- 産学連携の実効性(役割分担の合理性とシナジー効果)
- 経済的・社会的インパクト(市場創出効果や波及効果)
まとめ:戦略的アプローチのポイント
さて、いかがでしょう。考えるべき「戦略」が明確になったでしょうか。申請枠の選択、共同体の体制、要件の達成、計画の実現可能性。
実は、いずれもGo-Tech事業に限らず補助事業において重要な内容です。
また、これらを考えることは、自社の技術戦略を再構築し、事業計画を精緻化する貴重な機会となるため、貴社の事業そのものにも確実にプラスになります。
今回のGo-Tech事業では、他の事業にはない複雑さもありますが、産学連携による高度な研究開発を強力に支援する魅力的な制度です。
チャレンジする事業者のみなさまは、4月18日の締切に向け、計画的かつ戦略的な準備を進めましょう。
本記事は2025/03/07時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。
コンサルタントのひとりごと
「そうだ 京都、行こう。」
誰もが知るこのキャッチコピーは、30年ほど前に生まれたものです。わずか8文字で京都の魅力を想起させる力は今も健在です。
現代のビジネスでは、優れた製品開発と同様に、その価値を効果的に伝えるメッセージングとマーケティングがますます重要になっています。Go-Tech事業の申請でも、その技術革新の先を考え、どの様に世の中に伝えるかを併せて考えてみるとわくわくしますね。
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