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上限50億円、「超」大型設備投資支援

2025/03/18

大規模成長投資補助金コンサルタントの淡河です。今回ご案内する補助金は、今回で3次公募となる「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」。長いので以降は公募要領の表記に準じて「大規模成長投資補助金」とします。

弊社はいわゆるディープテックの研究開発支援のための補助金が得意なのですが、今回はあえて設備投資支援が目的の補助金をご案内します。

超大型の注目の設備投資支援、「大規模成長投資補助金」


この設備投資補助金、とにかく規模が大きいのです。補助金額の上限は50億円おそらく今年最も注目されており、ご存じの方も多いでしょう。

また、昨年8月締切の2次公募の際にはなかった情報が追加されています。その点も踏まえて解説しましょう。

「審査基準」では高い目標が高評価

「経営力」に高い成果目標等の注記が追加 まず、公募要領に示された「審査基準」について。基準は従来通りです。ただし、個別の基準に関して「※」付の注記が増えました。

この審査基準は、当然、申請書を作成する際に常に意識すべき情報です。そこで今回加筆された部分を見ると、かなり具体的にポイントが示されています。

ひとつだけ例を挙げます。

① 経営力」について、※1は前回同様で、「長期成長ビジョンの中での補助事業の位置付け」等の一般的な表現。今回は、※2と※3が追加されました。

※2には、「中小企業から中堅企業への移行」に対する加点措置が明記。
これは「中小企業から中堅企業への移行に関する宣誓書」の中で「企業規模の面でより高い成果目標」を設定することなどが条件です。

また、※3には、自己資金か借入かの判断や、借り入れを行う場合の調達先・調達手法の選択理由も評価されるとあります。

このほかにも「③ 地域への波及効果」や「⑤ 実現可能性の説明」でも「※」付の注記が増えています。

申請書の作成時にはこれらの注記に対応する内容を事業計画に落とし込みます。細心の注意を払い、読み落とさないようにしましょう。

「中央値」に見る傾向

業績UP等が評価される 次に、「第3次公募について」という概要説明資料を見てみましょう。この資料のp6に「(参考)1次・2次公募における各種指標の中央値」という興味深いデータが記載されています。

縦軸に①~⑤の審査基準、横軸に1次・2次公募の採択者と申請者全員の中央値を示した表です。

審査基準はさらに2~4の細目に分けられ、計14項目。この表の数値をよく見ると明らかな傾向が読み取れます。

  1. 申請者全体と採択者の中央値を比較すると、14項目の内12の項目で採択者の数値が高い。
  2. 1次と2次公募の採択者の比較では、同じく11項目で2次公募の数値が高い。

すなわち、「① 経営力」で問われる全社売上高や、「②先進性・成長性」で問われる労働生産性の伸びなどの増加率で示される事業計画上の数値が高いほど採択されやすい。そしてそれらの数値は回を追うごとに高まっていると言えます。

細かく見ると1.に該当しない項目は3つ。「全社売上高増加」「役員給与支給総額の増加」「ローカルベンチマークの得点」です。そしてこの内2つは2.でも該当しません。

今回の応募を目指す方は、申請書を作成する際、上記の3項目を除く項目については、2次公募の中央値の上を行く目標値を念頭に置いて事業計画を作成してください。

本記事は2025/03/18時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

沈丁の香をのせて風素直なる (嶋田 一歩)

沈丁花の季節です。外を歩いていて「あっ!」という感覚でその匂いに気づくのは、毎年のことながら幸せな一瞬です。素直になるのは風ではなく作者でしょう。