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カーボンニュートラル開発を長期支援
2026/04/06
コンサルタントの淡河です。今回は久しぶりに文部科学省傘下のJST(日本科学技術振興機構)による委託事業をご紹介します。事業名は「戦略的創造研究推進事業 ALCA-Next(先端的カーボンニュートラル技術開発)」。以下、ALCA-Nextと表記します。
ALCA-Nextとは
さて、ALCA-Nextとはどういう意味なのでしょう。探ってみると、まず「ALCA」はAdvanced Low Carbon Technology Research and Development Program(先端的低炭素化技術開発)の略とのこと。これは2022年度まで提供されていたJSTの委託事業でした。そして2023年度からリニューアルされた事業がALCA-Nextとなります。使用されている用語も「低炭素化」から「カーボンニュートラル」に変わっていて、時代の変化を感じます。
対象となる技術領域
今回のALCA-Nextの公募の技術領域は、「資源循環」「グリーンバイオテクノロジー」「半導体」の3つです。2025年度までは「 エネルギー変換・蓄エネルギー領域」「グリーンコンピューティング・DX領域」を加えた5領域のフルスペックで行われていましたが、なぜか2026年度はこの2領域は対象外です。
さて、今回の3領域については募集要項別紙の第6章にかなり詳細にわたった説明があります。ここには、いかにも委託事業らしく、各技術領域に該当する複数のカテゴリーの具体的な例が記載されています。
本事業にご興味のある方は、まず第6章から確認してください。
長期にわたる研究を100%支援
ALCA-Nextの特長の一つは、研究開発期間がとても長いことです。期間はスモールフェーズ3.5年と加速フェーズ3年に分かれています。単独フェーズへの応募はできず、合計7年近い研究開発支援となります。スモールフェーズ、加速フェーズで支給される研究費の年間上限額は30%の間接費込みで各々3,250万円、9,750万円で、委託事業なので消費税も含めて全額JSTの負担です。ただし加速フェーズに進むにはステージゲート審査があります。この審査の通過率は1/3程度。かなり厳しいですね。
今回の募集での採択課題数は6件程度との記載もあります。民間企業から応募する場合はこれらの条件もよく吟味しましょう。
応募要件の「研究倫理教育」とは
最後に見落としてはいけない要件として、「申請を行う研究者等は所属機関において研究倫理教育の講習を修了していること」があります。この講習は、ざっくり言うと、研究開発において不正を働かないための教育プログラムです。研究倫理教育とは大学等の研究所ではよく行われていますね。これには多くの種類があり、しっかり受講するには結構なボリュームです。民間企業では公募要領で容認されているような「所属機関において」講習を修了している例はあまりないでしょう。
ALCA-Nextではこれを見越して「抜け道」(?)を用意しています。JSTが指定する研究倫理教育プログラムのひとつであるAPRINの e-learning教材(eAPRIN)のダイジェスト版(無料)が受講できるサイトが設置されているのです。このダイジェスト版の受講は1~2時間程度で、テキスト学習とテストを受ければ申請の資格が取れます。一度修了すると当面の間有効なので、カーボンニュートラルの研究に関わっている方は民間企業の研究者であっても受講しておいて損にはなりません。
なお、修了時に発行される番号は、e-Radからの申請時に記載が必須ですのでごまかしは効きません。応募される場合は時間を取って早めにクリアしましょう。
本記事は2026/04/06時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。
季節の俳句
身の奥の鈴鳴りいづるさくらかな (黒田 杏子)
俳句という文学の根本は「季語のとらえ方への共感」であるとどこかで聞いたことがあります。名句はどれもそうですが、この句も「言われてみればたしかに鈴が鳴る」と納得します。
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