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小規模事業者に超人気!「大きな」おまけ付300万円助成金

2015/10/13

今回取り上げるのは、創業後5年以内の中小企業または個人事業主を対象とした三菱UFJ技術育成財団の「研究開発助成金」です。

この事業は昨年4月にも「人気の民間助成金」としてご紹介しました。

前回は、助成金上限が300万円と小ぶりで、しかも助成率1/2と決して高くはないこの助成金が、今年で32年目になる長寿事業となっている人気の秘密を説明しました。特長は、「助成金前払い」「事務管理負担の軽さ」「他の助成金・補助金との併願可」「財団からの500万円までの投資」などです。

この助成金は、従業員数も公開されている過去3年間の実績を見ると、採択者の87.5%、およそ9割が「小規模事業者」となっています(中小企業法で定められた「小規模事業者」とは、製造業の場合従業員が20名以下の企業です)。

そこで今回は、特に「小規模事業者」にとって魅力的な仕組みである「財団からの500万円までの投資」について、より詳しく説明します。

一般には個人事業主を含む「小規模事業者」が、公益財団法人とはいえ金融系の機関から、融資と較べて経営への関与が強くなる投資(株保有)を受けることはまずありません。また金融機関側も手間ばかりかかってゲインの少ないこの規模の「投資」など考えられません。

にもかかわらず長年継続しているこの小口「投資」の目的は、公益法人として自らの評価で創業後間もないが将来性のある企業を選出し、その健全な育成を支援することかと思いますが、同時に可能性の高い事業を早期から三菱東京UFJグループに囲い込むことも考えているのでしょう。

もちろん株主としての事業展開への関与はあるかと思いますが、財団の株式保有に「議決権の過半数を超えない」という条件を付け、企業側の主体性を尊重する姿勢も示しています。

財務基盤の弱い設立5年以内の「小規模事業者」としては、経営のプロによるアドバイスは却ってありがたいと受け取る創業者も多いかもしれません。

しかし応募する「小規模事業者」にとって、よりありがたいのは「投資」の条件の中に、「助成金交付対象プロジェクトの事業化により成長が期待できる者」という内容が含まれており、助成金対象となったら引き続いて「投資対象」となる可能性があることです。

この事業は助成率1/2なので、特長である「助成金300万円の前払い」を受けても、残りの事業資金300万円が必要ですが、創業間もない個人事業主や小規模事業者にはそう簡単に調達できる金額ではありません。

という訳で、この事業で助成金と投資の両方が受けられれば、事業化につながる研究開発のための資金が自己資金なしに調達できることになります。例えば技術特許の製品化を目指して創業した起業家などには、まことにピッタリな助成金だと思います。

本記事は2015/10/13時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

栗甘く われら土蜘蛛族の裔 (津田 清子)

栗の甘さに陶酔するわれらは、土中で生きる土蜘蛛の末裔だというのです。この遠い血縁を暗示する感覚はとことん女性的で、人と土との関係性を肌で感じさせる句かと思います。