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IT導入なら、今です!

2018/09/18

今回は、今年4月から複数回に渡って公募が行われている、規模が拡大された「サービス等生産性向上IT導入支援事業」(平成29年度補正予算)、通称「IT導入補助金」について、その後の経過を追います。

この事業は4月に第1次公募が行われた際に、「経産省の久々のヒット」としてご紹介しましたが、まずその内容を簡単におさらいしましょう。

  • 10万社超の企業に対してITの導入とそれによる生産性の向上を促す。
  • IT業界に1,000億円の市場を提供する。
  • 経済産業省はITベンダーとITツールの事前登録制度により国内市場の動向が掌握でき、さらに導入後の効果報告条件によりこれらに対する個別評価が可能となる。
というIT導入企業、ITベンダー、経済産業省の3者がうれしい事業ということでした。

そこで、これまで行われた2回の公募の結果が公表され、第3次公募が始まった今の時点での状況を見てみます。まず採択件数ですが、第1次公募の結果採択件数:約9,000件(6/14時点)、第2次公募の結果採択件数:約11,000件(8/15時点)、合わせて約2万件です。

補助金の採択者数としてはさすがにとても多い件数という印象ですが、冷静に見ると逆の意味で結構大変な状況です。

2万件といっても1件当たりの上限は50万円なので最大でも100億円、おそらく実際は70億円程度しか消化できていないと思います。年間の予算総額は500億円なので、400億円以上あまっていることになります。

これはさすがに経済産業省が困っているのではないでしょうか?その証拠といえるのかもしれませんが、第3次の公募スケジュールはある意味異常です。

第3次の公募期間自体が9月12日から11月19日の2か月強と、当初の予定より3週間程度拡大されたのですが、これまでの2回の公募と違ってその期間中に締切を5回設け、毎回締切後10日程度でどんどん採択決定を出していくスケジュールなのです。

もしあなたが、ITによる業務効率化に投資する必要を感じつつも、「補助金なんて面倒くさい」という食わず嫌いの方であれば、この機会を見逃すのはもったいないと思います。

IT導入補助金の公募サイトは、4月当初と比べてかなり進化し、驚くほどよくできているので是非一度体験してみてください。こちらがそのサイトのトップページです。

前回もお伝えした通り、事務局への申請自体は補助金を受ける申請事業者ではなく、ITツールを提供する「IT導入支援事業者」が代行するので、申請する企業が行うのは「IT導入支援事業者」の申請代行に必要な3つの準備だけになります。

この3つとは自社の「経営診断」、「IT支援事業者・ツールの選定」、「Security Action宣言」になりますが、是非体験してみてください。まずITツールを探す目的で「ITツール選定ナビ」のサイトに入ると、自然に「経営診断ツール」に導かれ、準備が進んでいきます。

また途中々々に、補助金申請のサイトとしては画期的な「動画による説明」などもついていてわかり易く、少しだけ面倒なのは決算報告書の数字を入力するところだけです。かなり深いレベルまでしっかり設計されたサイトです。

それもそのはず、事務局である一般社団法人サービスデザイン推進協議会とは、電通、パソナ、トランス・コスモスといった日本におけるIT及びマーケティングの大御所が集まったトッププロ集団といえる組織なのでした。

ただ、応募サイトがどれほど使いやすくとも、残る400億円以上の予算が第3次公募だけで消化しきれるとはとても思えません。第4次公募があるのではないかとの噂も流れています。

総裁選が終われば平成30年度の補正予算の検討が本格化します。公募中の第3次IT導入補助金への応募がどこまで伸びるか?その状況によって補正予算の枠も影響を受けると思われます。その意味でも多くの応募があることを願います。

本記事は2018/09/18時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

西国の畔曼珠沙華曼珠沙華 (森 澄雄)

通勤の道のあちこちで曼殊沙華が咲き始めました。数日の間に驚くほどの数の真っ赤な花が伸びた茎の上に咲いている不思議な様をみると、「曼殊沙華曼殊沙華」と繰り返すこの句が念仏のように思えてきます。