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インバウンドや観光を活用する補助金

2019/08/05

今回は、商店街活性化に向けた補助金をご紹介します。

「商店街活性化・観光消費創出事業」

インバウンドや観光等といった、地域外や日常の需要以外から新たな需要を効果的に取り込む商店街等を支援する事業です。

この事業は公募期間が4月2日から9月13日と長いのですが、締切が1次から3次まで設けられていて、9月13日が最終です。予算がなくなれば途中でも公募終了とされていますが、2次締切段階で期限の延長などもあり、どうやら最終まで予算が残ったようです。

商店街を中心とした地域活性化のための補助金は、「中心市街地活性化事業」を筆頭に色々と重たい参加条件のものが多いのですが、この事業の特長は応募対象としての条件が「ゆるい」ことです。

補助金を受ける「補助事業者」の対象となるのが「商店街等組織又は商店街等組織と民間事業者の連携体」とされていますが、「商店街等組織」には法人格を持つ振興組合等だけでなく、テナントビルや市場、あるいは商店街の一部で構成する任意組織も含まれます。

また「民間事業者」についても、地域のまちづくりや商業活性化等の担い手として事業に取り組んだ経験のある者とされており、自治体が出資するまちづくり法人に限るような縛りはありません。

共通して求められるのは「定款で定められた財産管理ができる代表者がいること」、及び「設立して1年以上経過していること」のみでであり、かなり“もやっとした”組織でも補助事業者の対象となります。

事業内容は「消費創出事業」「専門家派遣事業」の二本立てで、補助率は前者が2/3、後者が100%となっていますが、対象者となるための枠が広い上に補助金の下限・上限額の幅が大きく、両事業の補助金総額で200万円から2億円です。

この内「専門家派遣事業」の上限は200万円であるため、「消費創出事業」の補助率2/3から計算すると、両事業費総額の上限は2億9,900万円となり、相当の大事業でも賄えることになります。

公募要領に示された取り組み例でも、外国人観光客向けのIC型キャッシュレス決済端末を導入するという小規模な例と、クルーズ船ターミナルから商店街向けの循環バスを運行させるという大規模な例が挙げられていて、選択の幅が大きいことが分かります。

もっとも、申請書には事業期間終了後5年にわたり、自主事業等が継続できる計画(自立化計画)を記載する部分があり、「事業期間中に補助金を使って一度だけお祭りをやろう」などといった内容では採択されないでしょう。

シャトルバスの運行を始めるような大掛かりな案でなくとも、空き店舗を改装して継続的に外国人観光客を呼び込める拠点を作るといったアイデアがあれば、外部の専門家の知恵も大いに頂く形で応募されると良いでしょう。

本記事は2019/08/05時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

今日ありて銀河をくぐりわかれけり (秋元 不死男)

暑い暑い、忙しい忙しい、とせわしなく日々は過ぎていきます。東京の夏の空は特にぼやけているので、夜の空を見上げることすら忘れそうです。
俳句がありがたいのは、このような暑さに苦しむ日々を過ごしていても、ふと目に留まった一句が、昔高原で天の川を眺めたときの景色や人との出会い、果ては命の不思議にまで思いを連れて行ってくれることです。